小児外科

スタッフ紹介

<患者さんへのメッセージ>

 「子どもは小さな大人ではない」とよく言われます。私たちは、小児ならではの特性に注意を払い、細心の手術を施行しています。手術以外でも、便秘や嘔吐などの治療を外科ならではの観点から行っています。


主任部長

佐野 信行

東北大学 (1991年 卒)

【資格】
日本小児外科学会専門医
日本外科学会専門医

【専門分野】
小児消化器疾患
小児呼吸器疾患

科長

遠藤 悠紀

兵庫医科大学 (2011年 卒)

【資格】
日本外科学会専門医
日本肝臓学会専門医
日本小児外科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

診療紹介

 小児外科は、福島県浜通り地方において中核となる小児外科の専門診療科で、現在、2名の医師が外来と病棟の診療に当たっています。

 診療圏は、当地域のみならず南の県境を越えた茨城県北にも及び、年間の入院数は200~250例、全身麻酔下手術数は150~200例にのぼります。

 小児外科は、脳外科・心臓血管外科・整形外科・形成外科・眼科・耳鼻科・歯科の各領域を除く15歳以下の小児の外科的疾患を対象とする診療科であり、当科では、ソケイヘルニアと急性虫垂炎で、全症例の約半数を占めますが、このほかにも、新生児・乳幼児を問わず、消化器・呼吸器・泌尿器など多臓器にわたる疾患の手術や種々の検査を行っています。内視鏡手術も積極的に導入しており、小児虫垂炎は全例腹腔鏡下に切除術を行っています。虫垂炎の平均在院日数は4日未満です。

 産科・未熟児新生児科・小児科などの関連各科と、また院外では大学病院やこども病院などのより高次な専門施設と連携し、最新かつ最良の医療を患児が受けられるよう配慮しています。
 当センターは日本小児外科学会専門医認定施設であり、将来の小児外科医育成を目指していますが、さらに臨床研修病院として外科・小児科志望の初期研修医への教育も積極的に行っています。

対象とするおもな疾患

症状 考えられる疾患
体表や皮下の腫瘤 甲状舌管嚢胞、側頚嚢胞、鰓原性嚢胞、皮様嚢腫、類表皮嚢胞、リンパ節炎、石灰化上皮腫、リンパ管腫、血管腫
耳介周囲の異常 副耳、先天性耳瘻孔
前胸部の陥凹 漏斗胸
ミルク嘔吐 胃食道逆流症、肥厚性幽門狭窄症、胃軸捻転
黄疸や灰白便 胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症
臍の膨隆 臍ヘルニア(いわゆる「出べそ」)
臍の発赤や湿潤 臍肉芽腫、臍腸管遺残、尿膜管遺残
便秘 ヒルシュスプルング病、慢性便秘症
血便 腸重積症、メッケル憩室、腸管ポリープ
肛門出血 裂肛、痔核
肛門の形や位置の異常 直腸肛門奇形(鎖肛)
肛門周囲の発赤、腫脹、排膿 肛門周囲膿瘍(痔瘻)
ソケイ部の膨隆や陰嚢の無痛性腫大 ソケイヘルニア(いわゆる「脱腸」)、陰嚢水腫
陰嚢の空虚 停留精巣、移動性精巣、精巣萎縮・消失
陰嚢の発赤、有痛性腫大 精巣上体炎、精巣捻転、精巣垂捻転
外尿道ロの異常 尿道下裂、傍外尿道口嚢胞
包皮の翻転不能、発赤 包茎、包皮炎
その他 新生児外科疾患、急性虫垂炎、卵巣嚢腫、胸・腹部打撲など