当センターで導入している手術支援ロボットに関するご案内です。
ダビンチ(Da Vinci)は、外科手術で使用される「手術支援ロボット」です。患者さんのお腹や胸にあけた小さな穴に、手術器具を取り付けたロボットアームとカメラ(内視鏡)を挿入し、医師が「サージョンコンソール」と呼ばれる操作ボックスの中で内視鏡画像を見ながら、ロボットを操作して手術を行います。
システムは、ロボット本体(ペイシェントカート)とモニター部(ビジョンユニット)、操作用ボックス(サージョンコンソール)で構成されています。ロボット本体には4本のロボットアームが装着されており、1本はカメラ用、3本は鉗子操作用です。
患者さんの身体的な負担が少ない従来の鏡視下手術の特長を生かしつつ、ロボット機器の支援によって、これまでの手術では困難だった狭い術野での複雑な手術操作が可能となっています。
(左から ペイシェントカート、ビジョンカート、サージョンコンソール)
ロボットアームのカメラが捉えた画像を元に、ビジョンカートで鮮明な3D画像を作成します。術者がカメラアングルを自在に調整できるうえ、最大約15倍の拡大ズームも可能であり、人の目よりも自由に見たいところを見ることができます。
多関節のロボットアームを備えており、従来の胸・腹腔鏡手術に比べると自然な動きが可能です。また、モーションスケールと呼ばれる、術者の動かした手の幅を縮小して伝える機能もあり、血管の縫合など細かい作業を強いられる時に効果を発揮します。
モーションスケール …例えば5:1に設定すると、手を5cm動かした際にロボットアームが1cm動くように調整できる機能
座って手術が行えるほか、手先の震えがロボットアームに伝わらないように手ぶれ補正機能も搭載されており、長時間の手術でも高い集中力を維持できるよう医師をアシストします。
当センターでは2023年6月に「ダビンチXi」を導入し、準備期間を経て2023年7月から患者さんへの手術を開始しています。
運用開始にあたっては、執刀医や助手だけでなく、麻酔科医や手術室のスタッフ(看護師、臨床工学技師等)も様々なトレーニングを積み、準備を進めてきました。また、万が一、トラブルが発生した場合にも迅速な対応ができるように、複数診療科や多職種で情報共有を行い、より安全な手術を提供できるよう体制を整備しています。
なお、当センターではサージョンコンソールを2台導入しているため、2人の術者が同じ内視鏡画像を見ながら連携して手術を進めることが可能なほか、術者の効率的なトレーニングにも効果が期待されます。
*当センターで導入した「ダビンチXi」
*実機トレーニングの様子
*実際の手術の様子(外科)
※全ての疾患が対象となるわけではありません。ご了承ください。