始めに

 国は「患者さんが病院を選ぶ際の参考」とするための指標として、平成28年10月1日より、DPC対象病院に対して、国の定めた項目について、自院のホームページ上で病院情報を公表することを義務付けたことから、当センターにおいても、その数値の公表と解説文を掲示しております。
 掲示に当たりましては、DPCの制度やルールに馴染みがない方もいらっしゃると思いますので、基礎的なことを解説いたします。


  1. DPC対象病院について

     DPCはDiagnosis  Procedure  Combinationの頭文字をとった略語です。入院中の病名から処置、手術、検査などの行った医療行為によって分類することであり、「診断群分類」の意味です。
     DPC対象病院は、「診断群分類」に基づいて厚生労働省が定めた3,248の診断群分類(令和6年度)の中から、入院期間中の病名や、処置・手術の有無等に応じて、1日あたりの定められた入院費用を請求する病院のことです(DPC対象病院になるためには、国に承認される必要があります)。
     なお、いわき市内には当センターを含め4病院、全国には1,786(令和6年度)のDPC病院があります。


  2. 公表する病院指標のデータについて

     DPC対象病院は毎月ごとのDPCデータを国に提出することが義務付けられております。今回公表する病院指標は、当センターが、国に令和6年度中(令和5年4月1日~令和6年3月31日)に退院した患者さんのデータとして提出したものを、国の定める病院指標の様式に合わせて作成したものです。
     なお、DPCデータには、自動車賠償責任保険や労働者災害補償保険、正常分娩による自費入院等の患者さんのデータは含まれませんので、病院指標には反映しておりません。また、入院中のすべての患者さんが対象になるわけではなく、分類によってはDPC対象外の患者さんもおりますので、その方も病院指標には反映しておりません。

令和5年度 いわき市医療センター 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1093 396 566 840 929 1352 2221 3287 2168 462
 令和5年度の退院患者数は13,314人となっております。当センターは地域医療支援病院としていわき市の医療の中核を担っていることから、幅広い年齢の患者さんに医療を提供しておりますが、60歳以上の比較的年齢の高い患者さんの割合が約61.1%と高くなっております。
 また、NICU(重傷な新生児が入院する病棟)や小児の患者さんが入院する病棟を有することから、0歳~9歳の患者さんも比較的多くなっております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 135 4.97 2.61 0.00 *67.63
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 106 12.80 8.75 9.43 *72.04
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 76 8.74 7.61 2.63 *75.57
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 40 13.90 10.24 2.50 77.33
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 40 7.45 7.58 0.00 *60.18
 消化器内科で最も多い症例は、大腸ポリープに対し内視鏡を用いて手術を行った症例で、2番目に多い症例は胆のう炎や胆管結石です。3番目に多い症例は胃がんの内視鏡治療症例です。主に内視鏡的粘膜下層剥離術を行っております。4番目に多い症例は肝・肝内胆管の悪性腫瘍に対し、肝動脈塞栓術等を行った症例です。また、5番目は主に大腸の憩室性疾患でした。「手術といえば外科」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるとは思いますが、消化器内科では内視鏡を用いた手術治療やカテーテルという細い管を入れて治療を行う血管内治療等、幅広く行っています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 252 4.75 4.26 2.78 *71.32
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 175 4.82 4.57 0.00 65.75
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 146 4.79 5.21 0.68 *73.01
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 136 15.80 17.38 8.82 *78.85
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 131 3.11 3.05 0.00 *68.75
 循環器内科で最も多い症例は狭心症等の疾患に対し、主に経皮的冠動脈ステント留置術を行った症例です。2番目に多い症例は頻脈性不整脈に対し経皮的カテーテル心筋焼灼術を行った症例、3番目は動脈硬化のひとつである閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療を行った症例です。当センターでは狭心症に限らず急性心筋梗塞、心不全などの緊急時も対応しているため、件数も多くなっています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等2 4あり 31 10.48 9.80 0.00 71.03
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 30 15.07 18.03 0.00 71.70
130010xx97x9xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 9あり 24 34.42 34.93 0.00 71.79
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 23 46.87 36.15 0.00 53.00
130010xx99x9xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等2 9あり 23 12.70 13.10 0.00 71.52
  血液内科で最も多い症例は、骨髄異形成症候群に対して化学療法を行った症例です。手術ありと記載されているのは、輸血が手術に含まれるためです。
  2番目は急性白血病で化学療法、輸血を行った症例です。
心療内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170040xxxxxxxx 気分[感情]障害 17 29.35 16.81 11.76 65.47
060280xxxxxxxx アルコール性肝障害 - - 12.91 - -
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.19 - -
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 11.49 - -
170050xxxxxxxx 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害 - - 7.64 - -
 気分障害は、癌や糖尿病、心疾患で当センターに通院中の方が、うつ病を合併して入院している症例になります。
重症のうつ病、躁うつ病の入院治療は行っていません。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
透析センター外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 133 2.12 4.51 4.51 *71.02 (前日入院)
(当日入院)
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 5.88 7.57 8.00 68.08
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 23 2.17 11.49 0.00 *74.39
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 13.90 - -
- - - - - - -
 透析センター外科は、慢性腎臓病に対するシャント拡張術を行った症例が最も多くなりました。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
小児内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 72 4.92 5.86 0.00 3.51
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 70 4.63 6.37 1.43 3.53
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 60 4.75 5.62 0.00 2.77
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 58 4.38 5.96 0.00 1.28
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 47 1.02 2.12 0.00 2.94
 小児内科で最も多い症例は、ウイルス性肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症です。「処置等2なし」は人工呼吸管理等の処置は実施していないことを表しています。そのため、重症に至らなかった症例が多かったことがわかります。
 5番目の症例については、食物アレルギーの原因となる食物を特定するために、入院中に食物アレルギー負荷検査を行った症例になります。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 48 3.00 2.75 0.00 3.06
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 27 2.19 7.63 0.00 3.26
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 17 3.06 2.97 0.00 4.00
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 14 4.00 5.29 0.00 10.29
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病 なし 11 3.00 6.86 0.00 1.91
 小児外科で最も多い症例は鼠径ヘルニアの手術目的の入院です。2番目は小児における胃食道逆流症の診断精査を目的とした入院で、造影検査と24時間pHモニタリングを行なっています。同一患者の反復入院を含みます。3番目は、停留精巣に対して手術を行った症例、4番目は、虫垂炎に対し腹腔鏡を用いて虫垂切除手術を行った症例です。5番目は、臍ヘルニア(おへそが突出したもので、いわゆるでべそのこと)および白線ヘルニア(白線と呼ばれる腹直筋筋膜に小さな隙間があって、そこから体の内容物が脱出するヘルニアのこと)に対し手術を行った症例です。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 98 7.32 6.87 1.02 *66.19
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 95 4.60 4.55 0.00 *70.12
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 75 9.59 8.95 2.67 *70.45
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 69 10.52 9.88 1.45 *64.29
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 66 5.97 5.98 0.00 61.73
 外科で最も多い症例は胆のう炎、胆のう炎を伴う結石症に対して手術を行った症例(上記表の1番目と5番目を合計したもの)です。2番目は鼠径ヘルニア、3番目は腸閉塞です。4番目は乳房の悪性腫瘍に対して手術を行った症例です。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 26 20.92 12.88 7.69 *59.81
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 17 3.76 5.77 0.00 13.88
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし 17 4.00 4.28 0.00 31.59
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 14 2.29 3.17 0.00 10.14
050170xx9720xx 閉塞性動脈疾患 その他の手術あり 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 12 57.42 35.61 66.67 *69.92
 当センターには皮膚科の常勤医師がいないため、形成外科では皮膚疾患も診察しております。1番目に多い症例は、皮膚膿瘍や蜂窩織炎(ほうかしきえん)等の膿皮症に対し、抗生剤等による保存的治療を行っている症例です。2番目の「その他の新生物」とは、体の色々な部位にできる皮膚腫瘍のことで、治療は腫瘍摘出術を行います。3番目の良性腫瘍の治療も腫瘍摘出術です。4番目の症例は眼瞼内反症に対し手術を行った症例です。5番目は、動脈硬化に対し、四肢切断術、四肢の血管拡張術を行った症例です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 46 20.13 19.09 67.39 *67.54
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 10.46 8.38 35.71 *60.82
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 16.86 11.87 42.86 *77.67
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 19.17 9.88 33.33 *72.56
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 17 16.06 22.61 29.41 *73.59
 表の「JCS」とは意識障害がある患者さんの意識レベルを評価するものです。脳神経外科で最も多い症例はJCS10未満(比較的意識が清明)で、外傷によらない脳出血に対し、保存的加療を行った症例になります。2番目は外傷による頭蓋および頭蓋内損傷に対して、3番目は外傷によらない硬膜下血腫に対し手術を行った症例になります。4番目は外傷による頭蓋および頭蓋内損傷に対して手術を行った症例、5番目はJCS10以上(自発呼吸がない)で外傷によらない脳出血に対し、保存的加療を行った症例です。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050161xx9901xx 大動脈解離 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 37 21.11 20.58 13.51 *72.59
050080xx97010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 37 9.68 15.82 0.00 *83.84
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 29 26.52 21.52 3.45 68.93
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり 23 19.22 19.20 0.00 67.78
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 1あり 19 12.00 14.70 5.26 *78.84
 最も多い症例は、大動脈解離に対し手術を行わず、保存的加療を行った症例です。2番目、3番目は弁膜症に対し手術を行なった症例です。弁膜症とは、心臓の中にある「弁」が壊れ、心臓肥大から心不全になる病気です。カテーテル大動脈弁置換手術(TAVI)についても積極的に行っております。カテーテル大動脈弁置換手術(TAVI)とは胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に装着する身体への負担が少ない治療法です。4番目は非破裂性大動脈瘤に対し、大動脈瘤切除術を行った症例です。5番目は非破裂性大動脈瘤や腸骨動脈瘤に対し、ステントグラフト内挿術を行った症例です。大動脈瘤とは一般的に大動脈に「コブ」ができたと言われている病気です。ステントグラフト内挿術とは、胸やお腹にメスを入れなくても、足の付け根から小さな傷で「コブ」つまり大動脈瘤を治すことができる手術のことです。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 228 18.39 21.96 1.75 *74.22
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 196 25.35 25.50 71.43 *81.02
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 185 15.54 19.55 7.03 *66.76
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 119 4.54 4.76 1.68 *45.91
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 70 22.56 18.32 10.00 54.49
 1番目の人工関節置換術は主に膝関節症、股関節症、肩関節症等に対して行った手術です。2、3、5番目は骨折に対して行われた手術です。4番目の「椎弓切除術」は、主に腰部脊柱管狭窄症に対し行った手術です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 182 1.19 2.54 0.00 *73.65
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2 なし 片眼 26 1.85 6.10 0.00 63.50
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 15 1.27 5.67 0.00 68.73
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 - - 7.81 - -
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 - - 4.46 - -
 眼科では、白内障に対する手術を目的に入院した症例が上位となりました。2番目、3番目は糖尿病性網膜症、黄斑前膜に対し、手術を行った症例です。
 3番目の増殖性硝子体網膜症手術は主に増殖糖尿病網膜症や、重症な網膜剥離に対して行われます。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 74 7.50 6.02 0.00 57.00
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 73 9.47 7.53 0.00 16.88
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 66 5.98 5.51 0.00 *41.94
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 定義副傷病 なし 61 7.46 7.52 0.00 36.79
030428xxxxxxxx 突発性難聴 47 6.06 8.55 0.00 55.06
 耳鼻咽喉科で最も多い症例は扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎です。(表の3番目と4番目の件数を合計した件数です)扁桃周囲膿瘍は積極的に手術を行っております。2番目は慢性副鼻腔炎、3番目は扁桃・アデノイドの慢性疾患、4番目は突発性難聴の症例です。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 55 6.35 5.22 0.00 62.27
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 51 6.92 6.59 0.00 *74.73
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 35 11.40 13.52 8.57 *68.34
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 22 3.55 2.44 0.00 69.45
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 19 2.32 2.43 0.00 55.74
 泌尿器科で最も多かった症例は、尿管結石に対して内視鏡的治療等を行った症例です。2番目は、内視鏡で膀胱悪性腫瘍の手術を行った症例でした。この手術は腫瘍が、どのような性質のものか見極めるために行いますが、腫瘍の根が浅い場合は根治的治療となりますし、根が深い場合でも今後の治療方針を決定するのに必要な情報を得ることができます。3番目は、腎臓又は尿路の感染症に対し、投薬等で治療を行った症例です。4番目は、前立腺癌の確定診断を行うため、針生検(前立腺の組織の一部を採取し、顕微鏡で病理学的に癌細胞の有無を確認する検査のこと)を入院して行う症例です。5番目は尿管結石等に対して、対外衝撃波・尿管結石破砕術を行った症例です。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 146 8.08 9.34 0.00 34.34
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 108 4.09 4.18 0.00 64.91
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 78 3.32 4.05 0.00 66.15
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 77 8.95 9.31 0.00 32.97
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 73 8.55 9.23 0.00 46.45
 産婦人科で最も多い症例は分娩の患者さんのうち、母体ケアが必要となる患者さんに対し手術を行った症例です。表の1番目は多胎妊娠、胎位異常があり帝王切開を行った症例、4番目は分娩停止、遷延分娩等で自然分娩から帝王切開へ切り替えた症例となります。周産期における高度な医療を提供する地域周産期母子医療センターの特徴が伺えます。表の2番目は、子宮頸部や子宮体部に発生した癌に対して化学療法を行なった症例です。3番目は卵巣に発生した癌に対して化学療法を行った症例となります。5番目は子宮の良性腫瘍に対し、子宮全摘術や子宮筋腫摘出を行った症例です。
 なお、自然分娩については自由診療の扱いになるため、DPC対象外となります。そのためこちらのデータには反映されません。
救命救急センター
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 47 4.53 3.62 10.64 40.89
050210xx9902xx 徐脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 14 10.21 13.89 7.14 61.00
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 5.09 7.19 0.00 32.64
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 3あり 10 45.70 37.35 20.00 70.40
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10 17.00 9.88 20.00 70.30
 最も多い症例は、医薬品や農薬、アルコール中毒を含む薬物中毒でした。2番目は徐脈性不整脈、3番目はてんかん、4番目は敗血症等、多岐にわたります。なお、救命センターには多くの患者さんが搬送され入院をしておりますが、このデータは退院時のものであり、退院時には多くの患者が他の診療科に転科しているため、救命センターの患者さんとして公表する総数は少なくなっております。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 47 9.51 9.89 2.13 69.62
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 27 13.81 13.59 14.81 *76.44
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 9.79 9.17 0.00 52.05
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 5あり 14 14.50 18.83 0.00 72.64
040050xx99x0xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 13 17.23 13.48 15.38 *73.00
 1番目、2番目、4番目は肺がんで入院した症例になり、1番目手術を伴う症例、4番目は化学療法を実施した症例となります。3番目は気胸で入院した症例です。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 88 - 14 - 26 - 1 8
大腸癌 67 43 69 36 79 - 1 8,7
乳癌 36 33 13 - - - 1 8
肺癌 37 - 25 40 17 15 1 8
肝癌 - - - - 42 21 1 8,6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 5大癌では胃・大腸が約6割を占めています。また、表より胃癌はStageⅠが多いことから、早期発見、早期治療ができていることがわかります。当センターでのがん治療は手術、化学療法、放射線治療など多岐にわたり行なっております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 19 13.95 49.32
中等症 77 20.97 *76.62
重症 41 22.20 *80.78
超重症 - - -
不明 - - -
 市中肺炎とは普段の社会生活の中でかかる肺炎のことをいいます。重症度分類にはA-DROPスコアが用いられます。

Age(年齢)          男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration(脱水)     BUN21mg/dL以上または脱水あり
Respiration(呼吸)      SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
Orientation(意識障害) 意識障害あり
Pressure(収縮期血圧) 収縮期血圧90mmHg以下

 5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点と表されます。
 このA-DROPを用い、
 軽症:0点の場合
 中等症:1~2点の場合
 重症:3点の場合
 超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
と表します。
 当センターの患者数が多いのは中等症です。表から、市中肺炎は平均年齢があがるにつれ重症度が高くなる傾向がわかります。なお、誤嚥性肺炎は市中肺炎には含みません。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 194 21.60 *75.38 49.51
その他 10 18.40 *75.80 1.96
 当センターの脳梗塞の患者さんのは、ほぼ発症後3日以内に治療を開始しております。平均年齢は75.38歳とあるように高齢の方が入院されていることがわかります。また、脳梗塞の急性期治療が終了した患者さんのうち、リハビリテーション等が必要な患者さんについては、回復期の医療を担う医療機関に転院することもあるため、転院率が49.51%と高い割合になっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 99 1.28 2.01 0.00 68.30
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 74 3.46 9.22 6.76 *69.74
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 73 1.12 6.30 1.37 *75.70
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 57 1.93 5.75 1.75 68.35
K654 内視鏡的消化管止血術 56 1.21 11.18 7.14 *68.14
 最も多い手術は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。この手術は大腸ポリープの患者さんに対して行なわれる治療です。消化器科では侵襲の少ない内視鏡手術が数多く行なわれています。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 等 195 1.10 3.99 3.08 *73.20
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 149 1.75 3.31 2.68 *71.19
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 138 1.41 2.87 0.72 66.02
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 70 0.01 10.91 11.43 *71.96
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) 70 2.04 4.19 7.14 *73.64
 最も多い手術は、閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療です。次に多い症例は、狭心症、不安定狭心症に対して実施した経皮的冠動脈ステント留置術です。ステントとは、金属でできた網目の筒状のもので、狭窄あるいは閉塞部位を拡張します。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 14 25.36 42.64 0.00 67.36
K331 鼻腔粘膜焼灼術 - - - - -
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血管細胞採取)(自家移植) - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) - - - - -
「抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置」は、非ホジキンリンパ腫や急性白血病の悪性腫瘍に対し、抗がん剤を効率よく投与するため実施するものです。
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透析センター外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 99 0.04 1.01 4.04 *70.95 (前日入院)
(当日入院)
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) 32 0.00 1.06 6.25 71.72
K6147 バイパス移植術(その他の動脈) 等 10 1.00 6.50 10.00 68.80
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 等 - - - - -
K6121ロ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(静脈転位を伴う) - - - - -
シャントとは動脈と静脈をつなぎ合わせた血管のことで、透析を行うにはなくてはならないものです。シャントが血栓等により狭くなったり、詰まってしまった場合は、狭窄した部分を拡張します。
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小児内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 10 0.00 33.50 20.00 0.00
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K7512 鎖肛手術(会陰式) - - - - -
K653-3 胃内異物摘出術 - - - - -
 生まれたときにぐったりして元気に泣いていない、呼吸をしていない、手足を動かしていない赤ちゃんのことを「新生児仮死」といいます。当センターでは早産児(36週未満で生まれた児)、低出生体重児のうち、新生児仮死の症状がみられた赤ちゃんに対し、主にNICU(新生児集中治療室)で治療を行います。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 48 1.00 1.00 0.00 3.06
K836 停留精巣固定術 15 1.07 1.00 0.00 4.13
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 14 0.14 2.86 0.00 10.29
K6333 ヘルニア手術(臍ヘルニア) - - - - -
K8381 精索捻転手術(対側精巣固定術を伴う) - - - - -
 小児外科で最も多い手術は鼠径ヘルニア手術になります。2番目は停留精巣固定術です。3番目は腹腔鏡下虫垂切除術で、虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎に対し実施する手術です。虫垂炎は全症例を腹腔鏡で手術しています。
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外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 167 1.13 4.95 0.60 *64.63
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 等 87 1.05 2.39 0.00 *70.80
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 40 0.45 5.08 0.00 47.43
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 37 1.00 3.46 0.00 *69.11
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 35 1.00 6.49 2.86 65.00
 外科で最も多い手術は胆のう炎、胆のう炎を伴う結石症に対し行う腹腔鏡下胆嚢摘出術となります。2番目はヘルニア手術、3番目は乳房の悪性腫瘍に対し行う手術です。(上記表の4番目と5番目を合算しています)部分切除とは、乳房を温存し、悪い部分だけを取り除く手術、乳房切除術は、乳房そのものを切除する手術です。4番目は虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎に対し、腹腔鏡を用いて実施する手術です。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K084 四肢切断術(下腿) 等 19 15.95 51.84 78.95 *69.79
K2171 眼瞼内反症手術(縫合法) 14 0.93 0.36 0.00 10.14
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 13 1.00 0.00 0.00 5.15
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) 等 10 1.00 1.20 0.00 19.10
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
 最も多い手術は皮下腫瘍に対する皮下腫瘍摘出術です。(表の3番目と4番目の件数を合計したもの)2番目は動脈硬化症に対する四肢切断術です。3番目は眼瞼内反症に対する手術です。
当センターでは、形成外科全般の手術(一部除く)を行っており、多数の区分があるためそれぞれの症例数は少なくなります。
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脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 42 2.00 17.29 47.62 *77.83
K1781 脳血管内手術(コイル塞栓)(1箇所) 等 20 2.55 26.40 50.00 63.00
K145 穿頭脳室ドレナージ術 11 0.64 20.36 63.64 59.91
K386 気管切開術 10 8.90 15.90 60.00 *65.20
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は硬膜下血腫の患者さんに対して行われる手術です。脳の萎縮がみられる高齢者に多く、当センターでも平均年齢は高めです。
 脳血管内手術は、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤(脳動脈にできたコブ)をプラチナコイルという医療材料で塞栓する治療です。
 穿頭脳室ドレナージは、くも膜下出血や脳出血により脳脊髄症の交通が妨げられ水頭症を来した際に行われます。
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心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 等 42 2.36 7.83 0.00 *83.98
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建)) 25 4.04 15.28 4.00 68.48
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 21 1.24 9.19 0.00 *76.95
K5551 弁置換術(1弁のもの) 等 15 4.47 23.07 6.67 68.27
K5522 冠動脈バイパス移植術(2吻合以上) 等 13 5.85 15.31 7.69 65.08
 1番目に多い手術は経カテーテル大動脈弁置換手術です。カテーテル大動脈弁置換手術(TAVI)とは、胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に装着する身体への負担が少ない治療法です。当センターでも積極的に行っております。2番目の大動脈瘤切除術は開胸手術にて「コブ」を切除する手術です。3番目はステントグラフト内挿術です。開胸や開腹と呼ばれる胸と腹を開けることなく、足の付け根から小さな傷で「コブ」つまり大動脈瘤を治すことができる手術のことです。5番目は冠動脈バイパス移植術です。これは、生活習慣病の1つである狭心症に対する手術です。狭心症は悪化すると命の危険性がある心筋梗塞に陥ります。多くの患者さんはこの手術で命が助かっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 等 468 1.30 15.61 4.70 *71.31 膝関節
股関節
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 144 3.99 17.75 58.33 *79.32
K0732 関節内骨折観血的手術(足) 等 92 4.08 13.40 14.13 63.52
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 77 1.48 13.05 7.79 69.78
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 77 2.39 9.06 9.09 *56.87
 1番目の人工関節置換術は主に膝関節症、股関節症、肩関節症等に対して行った手術です。2、3、5番目は骨折に対して行われた手術です。4番目の「椎弓切除術」は、主に腰部脊柱管狭窄症に対し行った手術です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 185 0.03 0.16 0.00 *73.53
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 31 0.00 0.52 0.00 70.10
K281 増殖性硝子体網膜症手術 25 0.04 0.88 0.00 63.24
K279 硝子体切除術 - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
 最も多い手術症例は水晶体再建術になります。水晶体再建術は主に白内障に対しての手術です。高齢化に伴い白内障の手術を希望される患者さんも増えています。
 2番目に多い硝子体茎顕微鏡下離断術は主に糖尿病性網膜症、黄斑前膜、網膜剥離に対して行われます。
 3番目の増殖性硝子体網膜症手術は主に増殖糖尿病網膜症や、重症な網膜剥離に対して行われます。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 90 1.46 7.77 0.00 21.13
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 56 0.04 5.09 0.00 36.89
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔 等 53 1.42 4.96 0.00 60.08
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 34 1.68 5.12 0.00 58.29
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 20 2.70 3.40 0.00 46.55
 当センターでは扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎の症例が多いため、その症例に関連した手術が上位となりました。若年層の慢性扁桃炎が多いため、口蓋扁桃手術が多く行われます。3番目、4番目は内視鏡下鼻・副鼻腔手術は副鼻腔炎に対して行う内視鏡の手術です。
 なお、遠方より来院される患者さんや合併症をお持ちの患者さんが多いことから、術後の経過観察のために全国の平均在院日数と比べると比較的長く入院する患者さんもいらっしゃいます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 57 2.09 4.72 0.00 *75.02
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 等 55 1.69 3.78 0.00 62.84
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 40 1.83 10.00 10.00 *71.98
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 21 1.90 2.19 0.00 56.76
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 等 16 1.88 9.38 0.00 71.44
 泌尿器科で最も多かった症例は、尿管結石に対して内視鏡的治療等を行った症例です。2番目は、内視鏡で膀胱悪性腫瘍の手術を行った症例でした。この手術は腫瘍が、どのような性質のものか見極めるために行いますが、腫瘍の根が浅い場合は根治的治療となりますし、根が深い場合でも今後の治療方針を決定するのに必要な情報を得ることができます。3番目は、腎臓又は尿路の感染症に対し、投薬等で治療を行った症例です。4番目は、前立腺癌の確定診断を行うため、針生検(前立腺の組織の一部を採取し、顕微鏡で病理学的に癌細胞の有無を確認する検査のこと)を入院して行う症例です。5番目は尿管結石等に対して、対外衝撃波・尿管結石破砕術を行った症例です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択切開) 等 170 2.37 6.21 0.00 34.29
K8981 帝王切開術(緊急切開) 等 104 3.62 6.73 0.00 33.38
K877 子宮全摘術 82 1.55 6.63 0.00 50.76
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側,腹腔鏡) 等 81 1.14 3.94 0.00 41.10
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 等 74 1.57 4.12 0.00 47.05
 最も多い症例は、帝王切開術による出産に関する手術です。3番目の子宮全摘術は、主に子宮筋腫の患者に対して行われます。4番目の子宮附属器腫瘍摘出術は、卵巣の良性腫瘍に対し行われます。5番目の腹腔鏡下膣式子宮全摘術は、子宮全摘術と同様に、子宮筋腫に対して行われます。最近では開腹術に代わり、主要な術式になりつつあります。
救命救急センター
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 17 19.88 45.06 64.71 72.24
K386-2 輪状甲状靱帯切開術 - - - - -
K6021 経皮的心肺補助法(初日) - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
 気管切開術とは、呼吸を補助するために気管にチューブを外科的に挿入する、一時的または永久的な医学的処置です。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 等 28 1.71 6.86 0.00 68.89
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 16 1.38 5.31 0.00 70.19
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 12 6.42 4.67 0.00 38.67
K496-4 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術 12 8.83 20.42 25.00 65.83
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) - - - - -
 最も多い手術症例は肺の悪性腫瘍に対して行った手術です。胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術は肺がんに対し胸腔鏡を用いモニターを見ながら肺葉を切除するものです。5番目の胸腔鏡下肺切除術は1番目の悪性腫瘍でない場合になります。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 13 0.10
180010 敗血症 同一 31 0.23
異なる 46 0.35
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 49 0.37
異なる - -
 表の見方ですが、入院契機が同一とは、「入院した際の傷病名」と「退院まで行った治療で最も医療資源(投薬・手術・検査等)を必要とした傷病名」が同じ場合です。
一方、入院契機が異なるとは、「入院した際の傷病名」と「退院まで行った治療で最も医療資源(投薬・手術・検査等)を必要とした傷病名」が異なる場合です。
 敗血症の例で説明しますと、敗血症で入院してきた患者さんに対して敗血症の治療を行った症例数が35件であり、別の疾患で入院治療を行っている過程で敗血症が発生した症例数が47件であったことを表しています。
 手術・処置等の合併症としては、後出血や術後創部感染が多くみられました。
 なお、発症率は、当センターの全ての退院症例の内、何%がその傷病名であったかを表しています。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
2499 2406 96.3
 この指標は、大きな手術後、ベッド上安静を長くしている場合に発生しやすいとされています。
 肺血栓塞栓症とは、下肢や腹部にできた血の塊(血栓)が肺に行く血管(肺動脈)に詰まる病気です。予防には血液凝固を抑える薬剤を使用したり、弾性ストッキングなどを利用することがあります。リスクの程度が一定以上ある手術の時に、予防対策がなされた割合を表しています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
2266 1574 69.5
 広域抗菌薬は、使用前までの細菌培養検査、投与開始時の血液培養検査は、望ましいプラクティスとなります。また、血液培養は1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2 セット以上行うことが推奨されています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1352 929 68.7
 近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。


更新履歴
2024/09/27
令和6年度病院指標を公開しました。
2023/09/28
令和5年度病院指標を公開しました。
2022/09/30
令和4年度病院指標を公開しました。
2021/10/01
令和3年度病院指標を公開しました。
2020/09/30
令和2年度病院指標を公開しました。
2020/09/28
令和元年度病院指標を公開しました。
2019/09/27
平成30年度病院指標を公開しました。
2018/09/27
平成29年度病院指標を公開しました。
2017/09/27
平成28年度病院指標を公開しました。
2016/09/28
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