始めに

 国は「患者さんが病院を選ぶ際の参考」とするための指標として、平成28年10月1日より、DPC対象病院に対して、国の定めた項目について、自院のホームページ上で病院情報を公表することを義務付けたことから、当センターにおいても、その数値の公表と解説文を掲示しております。
 掲示に当たりましては、DPCの制度やルールに馴染みがない方もいらっしゃると思いますので、基礎的なことを解説いたします。

  1. DPC対象病院について

     DPCはDiagnosis Procedure Combinationの頭文字をとった略語です。入院中の病名から処置、手術、検査などの行った医療行為によって分類することであり、「診断群分類」の意味です。
     DPC対象病院は、「診断群分類」に基づいて厚生労働省が定めた4,726の診断群分類(令和4年度)の中から、入院期間中の病名や、処置・手術の有無等に応じて、1日あたりの定められた入院費用を請求する病院のことです(DPC対象病院になるためには、国に承認される必要があります)。
     なお、いわき市内には当センターを含め4病院、全国には1,764(令和4年度)のDPC病院があります。


  2. 公表する病院指標のデータについて

     DPC対象病院は毎月ごとのDPCデータを国に提出することが義務付けられております。今回公表する病院指標は、当センターが、国に令和3年度中(令和3年4月1日~令和4年3月31日)に退院した患者さんのデータとして提出したものを、国の定める病院指標の様式に合わせて作成したものです。
     なお、DPCデータには、自動車賠償責任保険や労働者災害補償保険、正常分娩による自費入院等の患者さんのデータは含まれませんので、病院指標には反映しておりません。また、入院中のすべての患者さんが対象になるわけではなく、分類によってはDPC対象外の患者さんもおりますので、その方も病院指標には反映しておりません。

令和3年度 いわき市医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 856 332 564 846 884 1258 2057 2793 1789 338
 令和3年度の退院患者数は11,793人となっております。当センターは地域医療支援病院としていわき市の医療の中核を担っていることから、幅広い年齢の患者さんに医療を提供しておりますが、60歳以上の比較的年齢の高い患者さんの割合が約59.3%と高くなっております。
 また、NICU(重傷な新生児が入院する病棟)や小児の患者さんが入院する病棟を有することから、0歳~9歳の患者さんも比較的多くなっております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 135 4.82 2.65 0.74 66.14
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 99 14.36 9.21 7.07 73.84
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 79 8.91 7.96 0.00 74.49
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 61 17.26 10.48 6.56 75.36
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 34 9.56 10.84 2.94 69.12
 消化器内科で最も多い症例は、大腸ポリープに対し、内視鏡を用いて手術を行った症例で、2番目に多い症例は胆のう炎や胆管結石の疾患です。3番目に多い症例は胃がんです。こちらの症例も内視鏡を用いた手術を行っている症例です。4番目に多い症例は肝・肝内胆管の悪性腫瘍に対し、肝動脈塞栓術等を行った症例です。また、5番目は憩室性疾患でした。「手術といえば外科」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるとは思いますが、消化器内科では内視鏡を用いた手術治療やカテーテルという細い管を入れて治療を行う血管内治療等、幅広く行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 244 4.88 4.36 0.82 70.43
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 191 5.93 5.32 1.57 74.01
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 130 18.18 17.35 15.38 78.76
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 129 3.31 3.06 0.78 66.94
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 109 12.34 11.87 5.50 67.78
 循環器内科で最も多い症例は狭心症等の疾患に対し経皮的冠動脈形成術を行った症例です。2番目に多い症例は動脈硬化のひとつである閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療を行った症例、4番目に多い症例は狭心症等の疾患に対しカテーテル検査を行った症例です。どちらも血管が狭くなった部位に対してカテーテル検査や治療を行なう患者さんが対象となります。当センターでは狭心症に限らず急性心筋梗塞、心不全などの緊急時も対応しているため、件数も多くなっています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 20 77.70 37.46 0.00 61.75
130030xx99x8xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 8あり 17 7.18 14.52 0.00 70.41
130030xx99x6xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 6あり 15 13.93 13.91 0.00 76.13
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 5あり 14 75.64 19.92 0.00 72.21
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等2 4あり 12 9.50 10.12 0.00 68.92
 血液内科で最も多い症例は、急性白血病で化学療法、輸血を行った症例です。血液内科の表で手術ありと記載されている症例がありますが、輸血も手術に含むためです。
  2番目は非ホジキンリンパ腫です。当科では、非ホジキンリンパ腫症例のうち、標準治療のR-CHOP療法(化学療法)が適応となる症例は、薬剤集積性を高めるため、入院にて2週間毎の実施を勧めています。3番目、4番目も非ホジキンリンパ腫でそれぞれ異なる薬剤を使用し化学療法を行った症例になります。
5番目は骨髄異形成症候群で「手術・処置等2 4あり」とはアザシチジンを使用した化学療法のことです。
心療内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170040xxxxxxxx 気分[感情]障害 14 27.00 15.81 7.14 62.07
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 3.70 - -
010060x0990411 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 18.18 - -
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 15.63 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.92 - -
 気分障害は、癌や糖尿病、心疾患で当センターに通院中の方が、うつ病を合併して入院している症例になります。
重症のうつ病、躁うつ病の入院治療は行っていません。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
透析センター外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 70 2.66 4.60 1.43 68.60
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 12.03 7.87 3.45 66.66
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 20 5.35 10.39 25.00 76.90
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 4.55 14.62 9.09 67.82
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 5.32 - -
 透析センター外科は、慢性腎臓病に対するシャント拡張術を行った症例が最も多くなりました。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
小児内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 107 5.04 5.83 0.00 1.13
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 52 5.79 6.24 0.00 2.75
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 32 3.66 5.53 0.00 3.06
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 31 1.00 2.13 0.00 1.81
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2 なし 29 3.48 3.83 0.00 1.72
 小児内科で最も多い症例は、急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症です。2番目、3番目、5番目にある「処置2なし」は人工呼吸管理等の処置は実施していないことを表しています。そのため、重症に至らなかった症例が多かったことがわかります。
 4番目は食物アレルギーの精査を目的とした入院で、小児食物アレルギー負荷検査を行っています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 51 3.04 2.78 0.00 3.94
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 25 2.04 7.74 0.00 0.76
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 13 3.00 2.99 0.00 2.77
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 13 3.00 7.84 0.00 3.77
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 10 3.20 5.40 0.00 10.70
 小児外科で最も多い症例は鼠径ヘルニアの手術目的の入院です。2番目は小児における胃食道逆流症の診断精査を目的とした入院で、造影検査と24時間pHモニタリングを行なっています。同一患者の反復入院を含みます。3番目は、停留精巣の手術目的、4番目は、臍ヘルニア(おへそが突出したもので、いわゆるでべそのこと)および白線ヘルニア(白線と呼ばれる腹直筋筋膜に小さな隙間があって、そこから体の内容物が脱出するヘルニアのこと)で、こちらも手術目的の入院です。5番目は虫垂炎に対し腹腔鏡を用いて虫垂切除手術を行った症例です。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 96 4.65 4.74 0.00 67.27
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 70 11.67 10.15 1.43 61.81
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 68 8.03 7.11 1.47 63.96
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 66 8.77 9.00 1.52 70.17
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 58 5.86 6.25 0.00 60.62
 外科で最も多い症例は胆のう炎、胆のう炎を伴う結石症に対して手術を行った症例(上記表の3番目と5番目を合計したもの)です。2番目は鼠径ヘルニア、3番目は乳癌に対し手術を行った症例です。4番目は腸閉塞です。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 23 27.39 13.07 13.04 60.83
050170xx9720xx 閉塞性動脈疾患 その他の手術あり 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 12 44.25 35.69 58.33 78.75
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 11 3.73 5.16 0.00 18.09
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし 11 2.45 4.66 0.00 10.82
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.11 - -
  当センターには皮膚科の常勤医師がいないため、形成外科では皮膚疾患も診察しております。1番目に多い症例は、皮膚膿瘍や蜂窩織炎(ほうかしきえん)等の膿皮症に対し、抗生剤等による保存的治療を行っている症例です。2番目に多い症例は、動脈硬化症に対し、四肢切断術を行った症例です。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 64 21.59 18.90 67.19 68.44
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 16.86 9.78 31.43 75.46
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 28 29.25 22.42 53.57 76.61
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 26 9.92 8.30 30.77 55.96
010020x099x0xx くも膜下出血、破裂脳動脈瘤(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 10 8.10 8.46 80.00 68.50
 表の「JCS」とは意識障害がある患者さんの意識レベルを評価するものです。脳神経外科で最も多い症例はJCS10未満(比較的意識が清明)で、外傷によらない脳出血による手術を実施しない症例です。2番目は外傷による頭蓋および頭蓋内損傷に対して手術を行なった症例になります。3番目はJCS10以上(自発開眼がない)で、外傷によらない脳出血、4番目は外傷による頭蓋および頭蓋内損傷、5番目はJCS10未満のくも膜下出血等に対して、いずれも手術を行わず保存的治療を行った症例となります。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 1あり 39 13.05 15.18 2.56 80.69
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり 26 17.31 19.66 0.00 74.08
050080xx9701xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 1あり 26 24.27 17.86 0.00 83.62
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 13 21.23 21.93 0.00 63.46
050161xx9901xx 解離性大動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 12 19.83 21.21 0.00 61.92
 最も多い症例は、非破裂性大動脈瘤や腸骨動脈瘤に対し、ステントグラフト内挿術を行った症例です。大動脈瘤とは一般的に大動脈に「コブ」ができたと言われている病気です。ステントグラフト内挿術とは、胸やお腹にメスを入れなくても、足の付け根から小さな傷で「コブ」つまり大動脈瘤を治すことができる手術のことです。2番目は弁膜症に対し手術を行なった症例です。弁膜症とは、心臓の中にある「弁」が壊れ、心臓肥大から心不全になる病気です。2013年10月より日本で認可されたカテーテル大動脈弁置換手術(TAVI)についても積極的に行っております。カテーテル大動脈弁置換手術(TAVI)とは胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に装着する身体への負担が少ない治療法です。3番目は解離性大動脈瘤に対し大動脈瘤切除術を行った症例です。4番目は動脈瘤に対し大動脈瘤切除術を行った症例です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 156 19.32 23.02 0.00 73.91
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 138 15.86 20.63 2.90 65.91
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 133 27.34 25.32 78.20 81.31
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 124 6.33 4.99 2.42 53.48
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 71 25.79 18.36 12.68 52.18
 整形外科で最も多い症例は膝関節症に対し、人工関節置換術を行った症例です。2番目は股関節骨頭壊死、股関節症に対し人工関節置換術を行った症例です。DPCの分類上では、初めて人工関節置換を行なった場合も再度人工関節置換を行なった場合も同じ分類に属しますが、今回、人工関節再置換術を行なった患者さんは、膝関節症の163名のうち3名、股関節骨頭壊死、股関節症の164名のうち5名でした。3番目に多い症例は、股関節大腿近位骨折に対する人工骨頭挿入術を行った症例です。転院率が78.20%と高くなっておりますが、これは、手術を行った後のリハビリテーションを多く行える回復期リハビリテーション機能を持つ病院への転院が多いためです。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 54 7.04 5.71 1.85 39.20
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 44 8.16 6.47 0.00 53.36
030428xxxxxxxx 突発性難聴 41 6.02 8.75 0.00 52.51
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 25 8.96 7.84 0.00 28.40
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 25 7.16 8.50 0.00 42.00
耳鼻咽喉科で最も多い症例は扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎です。扁桃周囲膿瘍は積極的に手術を行っております。2番目は慢性副鼻腔炎、3番目は突発性難聴、4番目は扁桃、アデノイドの症例です。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 54 7.39 6.86 3.70 73.52
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 43 3.00 2.50 0.00 72.33
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 41 6.44 5.56 0.00 61.93
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 25 2.16 2.59 0.00 65.24
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 18 10.33 13.14 5.56 72.78
 泌尿器科で最も多かった症例は、内視鏡で膀胱悪性腫瘍の手術を行った症例でした。この手術は腫瘍が、どのような性質のものか見極めるために行いますが、腫瘍の根が浅い場合は根治的治療となりますし、根が深い場合でも今後の治療方針を決定するのに必要な情報を得ることができます。表にあります「手術・処置等2 2あり」とは化学療法のことです。2番目は、前立腺癌の確定診断を行うため、針生検(前立腺の組織の一部を採取し、顕微鏡で病理学的に癌細胞の有無を確認する検査のこと)を入院して行う症例です。3番目、4番目の症例は、尿管結石に対して内視鏡的治療等を行った症例です。5番目は腎臓又は尿路の感染症に対し、投薬等で治療を行った症例です。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 148 8.68 9.39 0.00 33.02
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 131 4.05 4.34 0.00 60.62
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 93 3.76 4.23 0.00 64.06
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 74 11.55 11.55 0.00 57.32
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 71 8.69 9.38 0.00 32.06
  産婦人科で最も多い症例は分娩の患者さんのうち、多胎妊娠や胎児骨盤不均衡等の母体ケアが必要となる患者さんが帝王切開等の手術を行なった症例です。2番目と3番目は、子宮頸部や子宮体部、卵巣に発生した癌に対して化学療法を行なった症例です。表にあります「手術・処置等2 4あり」、「手術・処置等2 5あり」、「手術・処置等2 7あり」とは化学療法のことです。4番目は子宮の良性腫瘍に対し、子宮全摘術や子宮筋腫摘出を行った症例です。5番目は、前回の入院で帝王切開を行った患者さんや、巨大児や難産のため帝王切開を行なった患者さん等が該当します。周産期における高度な医療を提供する地域周産期母子医療センターの特徴が伺えます。
 なお、自然分娩については自由診療の扱いになるため、DPC対象外となります。そのためこちらのデータには反映されません。
救命センター
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 7.17 3.70 31.03 43.48
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 3あり 16 38.19 37.28 12.50 71.44
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2 なし 15歳以上 - - 16.74 - -
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.78 - -
050210xx9902xx 徐脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり - - 14.02 - -
 最も多い症例は、医薬品や農薬、アルコール中毒を含む薬物中毒でした。また、救命センターには多くの患者さんが搬送され入院をしておりますが、今回のデータは退院時のものであり、退院時には他の診療科に転科した場合も多いため、公表する患者数は少なくなっております。
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呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 48 8.88 10.47 2.08 66.31
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 26 10.58 9.07 0.00 66.46
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 9.41 9.28 0.00 48.45
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 22 18.64 13.12 4.55 72.95
130070xx99x0xx 白血球疾患(その他) 手術なし 手術・処置等2 なし - - 9.25 - -
 1番目、2番目、4番目は肺がんで入院した症例になり、1番目は手術を伴う症例、2番目は化学療法のみ、4番目は手術等を行わず保存的な治療を施した症例となります。3番目は気胸で入院した症例です。
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初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 111 - 24 19 36 - 1 8,7
大腸癌 49 40 45 13 47 - 1 8,7
乳癌 44 26 17 - - - 1 8,7
肺癌 29 24 23 31 - 15 1 8
肝癌 - - - 67 28 1 8,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
  5大癌では胃・大腸が約6割を占めています。また、表より胃癌はStageⅠが多いことから、早期発見、早期治療ができていることがわかります。当センターでのがん治療は手術、化学療法、放射線治療など多岐にわたり行なっております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 29.40 55.40
中等症 44 17.84 75.43
重症 10 18.60 83.70
超重症 - - -
不明 - - -
 市中肺炎とは普段の社会生活の中でかかる肺炎のことをいいます。重症度分類にはA-DROPスコアが用いられます。

Age(年齢)          男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration(脱水)     BUN21mg/dL以上または脱水あり
Respiration(呼吸)      SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
Orientation(意識障害) 意識障害あり
Pressure(収縮期血圧) 収縮期血圧90mmHg以下

 5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点と表されます。
 このA-DROPを用い、
 軽症:0点の場合
 中等症:1~2点の場合
 重症:3点の場合
 超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
と表します。
 当センターの患者数が多いのは中等症です。表から、市中肺炎は平均年齢があがるにつれ重症度が高くなる傾向がわかります。なお、誤嚥性肺炎は市中肺炎には含みません。
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脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 212 21.60 73.85 46.33
その他 - - - -
 当センターの脳梗塞の患者さんは、ほぼ発症後3日以内に治療を開始しております。平均年齢は73.85歳とあるように高齢の方が入院されていることがわかります。また、脳梗塞の急性期治療が終了した患者さんのうち、リハビリテーション等が必要な患者さんについては、回復期の医療を担う医療機関に転院することもあるため、転院率が46.33%と高い割合になっています。
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診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 108 1.39 2.48 0.00 67.34
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 81 1.32 7.17 0.00 74.68
K654 内視鏡的消化管止血術 57 0.79 12.81 10.53 70.21
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 52 4.46 8.73 5.77 69.37
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 51 4.27 16.88 13.73 76.67
  最も多い手術は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。この手術は大腸ポリープの患者さんに対して行なわれる治療です。消化器科では侵襲の少ない内視鏡手術が行なわれています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 等 257 1.09 4.34 2.33 74.30
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 169 2.30 4.30 1.78 70.59
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 91 0.07 9.45 4.40 72.45
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 85 3.19 10.62 9.41 79.96
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 68 1.29 2.97 0.00 59.07
 最も多い手術は、2番目の狭心症、3番目の不安定狭心症に対して実施した経皮的冠動脈ステント留置術です。ステントとは、金属でできた網目の筒状のもので、狭窄あるいは閉塞部位を拡張します。
 次に多い手術は閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療で、ステントかバルーンを用いて血管を拡張します。
透析センター外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 50 0.02 1.52 2.00 68.94
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) 21 0.05 2.24 0.00 67.71
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 14 0.93 3.21 0.00 67.07
K6147 血管移植術(その他の動脈) 等 13 2.69 15.85 7.69 65.31
K6233 静脈形成術、吻合術(その他の静脈) 等 - - - - -
  シャントとは動脈と静脈をつなぎ合わせた血管のことで、透析を行うにはなくてはならないものです。シャントが血栓等により狭くなったり、詰まってしまった場合は、狭窄した部分を拡張します。
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小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 51 1.04 1.00 0.00 3.94
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 10 0.20 2.00 0.00 10.70
K836 停留精巣固定術 10 1.00 1.00 0.00 3.30
K6333 ヘルニア手術(臍ヘルニア) 等 - - - - -
K0051 皮膚腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) 等 - - - - -
  小児外科で最も多い手術は鼠径ヘルニア手術になります。2番目は腹腔鏡下虫垂切除術で、虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎に対し実施する手術です。虫垂炎は全症例を腹腔鏡で手術しています。3番目は停留精巣固定術です。
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外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 137 1.73 5.88 2.92 63.11
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 80 1.21 2.48 0.00 69.20
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 42 0.50 4.07 0.00 40.71
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 33 1.00 7.15 0.00 67.03
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 30 3.33 12.03 3.33 72.60
 外科で最も多い症例は胆のう炎、胆のう炎を伴う結石症にて腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った症例ですが、手術も、最も多い手術は腹腔鏡下胆嚢摘出術となります。2番目はヘルニア手術、3番目は虫垂周囲膿瘍を伴わない虫垂炎に対し、腹腔鏡を用いて実施する手術です。4番目は乳癌に対し行う乳腺悪性腫瘍手術です。5番目は腹腔鏡下で結腸の悪性腫瘍を切除する手術です。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K084 四肢切断術(下腿) 等 16 12.19 38.94 68.75 76.50
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 等 13 1.00 0.08 0.00 6.38
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 10 1.00 8.00 0.00 57.90
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
 最も多い手術は動脈硬化症に対する四肢切断術です。2番目は皮下腫瘍に対する皮下腫瘍摘出術です。3番目は結合組織や軟部組織にできた腫瘍を摘出する四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術です。
当センターでは、形成外科全般の手術(一部除く)を行っており、多数の区分があるためそれぞれの症例数は少なくなります。
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脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 35 1.43 13.80 31.43 76.00
K1781 脳血管内手術(コイル塞栓)(1箇所) 等 23 2.83 18.09 26.09 67.17
K145 穿頭脳室ドレナージ術 18 0.44 20.67 66.67 68.06
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - - - - -
  慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は硬膜下血腫の患者さんに対して行われる手術です。脳の萎縮がみられる高齢者に多く、当センターでも平均年齢は高めです。
 脳血管内手術は、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤(脳動脈にできたコブ)をプラチナコイルという医療材料で塞栓する治療です。
 穿頭脳室ドレナージは、くも膜下出血や脳出血により脳脊髄症の交通が妨げられ水頭症を来した際に行われます。
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心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 31 11.90 9.77 3.23 83.39
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 29 2.86 9.66 3.45 79.62
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建)) 24 3.83 11.79 0.00 74.79
K5522 冠動脈バイパス移植術(2吻合以上) 等 24 5.54 26.25 4.17 68.13
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 17 3.24 14.35 0.00 74.59
 最も多い症例は、非破裂性大動脈瘤や腸骨動脈瘤に対し、ステントグラフト内挿術を行った症例です。大動脈瘤とは一般的に大動脈に「コブ」ができたと言われている病気です。ステントグラフト内挿術とは、胸やお腹にメスを入れなくても、足の付け根から小さな傷で「コブ」つまり大動脈瘤を治すことができる手術のことです。2番目は弁膜症に対し手術を行なった症例です。弁膜症とは、心臓の中にある「弁」が壊れ、心臓肥大から心不全になる病気です。2013年10月より日本で認可されたカテーテル大動脈弁置換手術(TAVI)についても積極的に行っております。カテーテル大動脈弁置換手術(TAVI)とは胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に装着する身体への負担が少ない治療法です。3番目は解離性大動脈瘤に対し大動脈瘤切除術を行った症例です。4番目は動脈瘤に対し大動脈瘤切除術を行った症例です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 等 343 1.33 16.27 1.75 70.82
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 118 2.62 9.18 7.63 60.10
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 107 6.01 18.30 63.55 76.05
K068-2 関節鏡下半月板切除術 62 1.06 1.89 0.00 49.29
K0811 人工骨頭挿入術(股) 等 61 8.15 17.66 73.77 78.95
 整形外科で最も多い症例は膝関節症に対し、人工関節置換術を行った症例です。2番目は股関節骨頭壊死、股関節症に対し人工関節置換術を行った症例です。DPCの分類上では、初めて人工関節置換を行なった場合も再度人工関節置換を行なった場合も同じ分類に属しますが、今回、人工関節再置換術を行なった患者さんは、膝関節症の163名のうち3名、股関節骨頭壊死、股関節症の164名のうち5名でした。3番目に多い症例は、股関節大腿近位骨折に対する人工骨頭挿入術を行った症例です。転院率が78.20%と高くなっておりますが、これは、手術を行った後のリハビリテーションを多く行える回復期リハビリテーション機能を持つ病院への転院が多いためです。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 41 1.00 7.22 2.44 23.12
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 30 1.03 6.23 0.00 54.93
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔 27 1.00 6.04 0.00 58.74
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 25 0.40 5.76 0.00 42.00
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(浅葉) 16 1.13 6.69 0.00 60.75
 若年層の慢性扁桃炎が多いため、口蓋扁桃手術が多く行われます。2番目、3番目は内視鏡下鼻・副鼻腔手術は副鼻腔炎に対して行う内視鏡の手術です。4番目が扁桃周囲膿瘍切開術です。5番目の耳下腺腫瘍摘出術は、耳下腺の表面部分(浅葉)の良性腫瘍に対して行う手術です。
 なお、遠方より来院される患者さんや合併症をお持ちの患者さんが多いことから、術後の経過観察のために比較的長く入院する患者さんもいらっしゃいます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 61 2.23 5.34 6.56 74.72
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 37 1.38 3.35 0.00 60.86
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 33 0.61 11.55 6.06 69.82
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 25 0.08 1.08 0.00 65.24
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 14 3.43 10.57 0.00 69.29
  経尿道的膀胱腫瘍切除術(電解質溶液使用)とは生理食塩水を膀胱内に注入しながら内視鏡(カメラ)を尿道を通して膀胱内に挿入し、膀胱腫瘍をつまみとったり電気メスで削りとったりする手術です。2番目は腎結石、尿管結石に行なう経尿道的尿路結石除去術を行った症例です。内視鏡(カメラ)を腎、尿管に挿入し、レーザー等により結石を破壊する術式です。内視鏡を使用することにより低侵襲の手術が可能です。3番目の経尿道的尿管ステント留置術とは、内視鏡(カメラ)を尿道を通して膀胱内に挿入し、尿管内に細い管(カテーテル)を留置する治療です。尿管が何らかの原因(結石、腫瘍、炎症など)で狭くなったり、閉塞してしまうと、腎臓からの尿が膀胱に流れてこないため、痛み、発熱、腎臓の機能の悪化などを生じます。この状態を改善する目的で行います。4番目の体外衝撃波腎・尿管結石破砕術は、体外で発生させた強力な衝撃波を体内の結石存在部位に集中させ、結石と周囲組織の密度が大きいのを利用して破砕する手術です。5番目の腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術は腎、腎盂、尿管にできた腫瘍に対して腹腔鏡を用いて行う手術です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択切開) 等 158 2.92 6.26 0.00 33.23
K8981 帝王切開術(緊急切開) 等 102 4.05 7.08 0.00 31.99
K877 子宮全摘術 79 2.18 7.42 1.27 52.18
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側,腹腔鏡) 等 68 0.94 3.99 0.00 37.00
K867 子宮頸部(腟部)切除術 65 0.94 1.03 0.00 41.94
  最も多い症例は、帝王切開術による出産に関する手術です。3番目に多い子宮全摘術は、主に子宮筋腫の患者に対して行われます。4番目に多い子宮附属器腫瘍摘出術は、卵巣の良性腫瘍に対し行われます。5番目に多い子宮頚部切除術とは子宮頚部異形成に対して行なう手術です。
救命センター
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 15 23.73 39.20 60.00 65.40
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
K386-2 輪状甲状靱帯切開術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K084 四肢切断術(大腿) - - - - -
  気管切開術とは、呼吸を補助するために気管にチューブを外科的に挿入する、一時的または永久的な医学的処置です。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 25 1.56 6.88 4.00 68.16
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 12 1.00 4.58 0.00 65.00
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 等 - - - - -
K496-4 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術 - - - - -
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) - - - - -
 最も多い手術症例は肺の悪性腫瘍に対して行った手術で、1番目、2番目、3番目が該当します。胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術は肺がんに対し胸腔鏡を用いモニターを見ながら肺葉を切除するものです。5番目の胸腔鏡下肺切除術は1番目の悪性腫瘍でない場合になります。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 33 0.28
異なる 37 0.32
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 45 0.38
異なる 12 0.10
 表の見方ですが、入院契機が同一とは、「入院した際の傷病名」と「退院まで行った治療で最も医療資源(投薬・手術・検査等)を必要とした傷病名」が同じ場合です。
一方、入院契機が異なるとは、「入院した際の傷病名」と「退院まで行った治療で最も医療資源(投薬・手術・検査等)を必要とした傷病名」が異なる場合です。
 敗血症の例で説明しますと、敗血症で入院してきた患者さんに対して敗血症の治療を行った症例数が33件であり、別の疾患で入院治療を行っている過程で敗血症が発生した症例数が38件であったことを表しています。
 手術・処置等の合併症としては、後出血や術後創部感染が多くみられました。
 なお、発症率は、当センターの全ての退院症例の内、何%がその傷病名であったかを表しています。
 表の「-」は症例が10未満のため表示しておりません。
更新履歴
2022/09/30
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