医療技術部

中央検査室

中央検査室の紹介

 中央検査室では、医師が患者さんの体の状態を知るために必要な様々な情報を提供し、病気の治療や早期発見・予防を支援するための臨床検査を行っています。

「ISO15189」認定取得

 中央検査室は、国際標準化機構(ISO)が定めた臨床検査に特化した国際標準規格「ISO15189」の認定を2020年10月23日に取得し、現在も認定を継続しています。
 中央検査室のISO15189認定取得は、正しい検査結果を出すために必要な検査技術能力と品質管理のしくみ(品質マネジメントシステム)が、国際的に通用する水準であると認められたことを意味します。

ilac-MRA
Medical_LAB_RML02370

スタッフ構成 (2024年10月現在)

臨床検査技師正規職員48名、再任用職員1名
受付事務会計年度任用職員5名

認定資格

超音波検査士認定輸血検査技師
認定血液検査技師認定一般検査技師
認定認知症領域検査技師認定救急検査技師
日本睡眠学会認定技師緊急臨床検査士
JHRS認定心電図専門士認定臨床化学免疫化学精度保証管理検査技師
福島県糖尿病療養指導士細胞検査士
臨床工学技士二級臨床検査士(臨床化学)
二級臨床検査士(免疫血清学)二級臨床検査士(血液学)
二級臨床検査士(微生物学)二級臨床検査士(衛生生理学)
二級臨床検査士(呼吸生理学)臨床検査技師臨地実習指導者
認定POCコーディネーターPOCT測定認定士
心電図検定1級心電図検定2級
心電図検定3級第2種ME技術実力検定者
第1種衛生管理者健康食品管理士
特定化学物質作業主任者毒物劇物取扱者
有機溶剤作業主任者危険物取扱者乙種第四類
診療情報管理士認定ICLSインストラクター

業務内容

 検査部門は「検体検査」と「生理機能検査」の2部門に分けられます。

 「検体検査」は、血液学的検査、生化学的検査、免疫学的検査、微生物学的検査、尿・糞便等一般検査、遺伝子関連・染色体検査に分類されます。患者さんから採取された血液や尿・便・喀痰・体液・組織等から、身体の状態や感染症の有無、腫瘍細胞の有無、病原菌の検索、安全な輸血のための検査等のさまざまな検査を実施しています。

検査体制

 外来診療への診察前検査、および24時間の緊急検査に対応しています。
 検査結果はオーダリングシステムを介し、各診療部門の端末に瞬時に送信されます。

各部門について

1. 中央採血室

中央採血室写真  中央採血室では外来採血業務を中央検査室と看護部の共同で行っています。

 当センターはオーダリングシステムを採用しているため、採血内容や検査項目、採血管の種類が瞬時に当部門のシステムに伝わり、患者さんの受付を開始するとバーコードラベル付き試験管が機械から自動で発行される仕組みになっています。
採血された試験管は随時検査室へ搬送され、患者さんの診察前に結果が報告できるよう努めています。

2. 血液学的検査

血液検査写真  血液学的検査は、血液中の血色素量・赤血球数・白血球数・血小板数の測定や、白血球細胞の形態を分類しています。
これらの検査は、貧血や多血症、炎症の有無、白血病等の診断をするうえで重要な検査です。
 また、出血傾向の有無や抗血栓薬療法の薬剤投与量を判断する検査も実施しています。

3. 尿・糞便等一般検査

一般検査写真  尿・糞便等一般検査は、尿や便・穿刺液など様々な検査材料を対象とした検査です。
 尿中の蛋白・糖・潜血などを測定したり、その成分を顕微鏡で実際に観察することにより、腎・尿路系の疾患や糖尿病等を発見することができます。
 便潜血検査では、糞便中の血液の有無を調べ大腸癌の早期発見に努めています。

4.生化学的検査

生化学検査写真  生化学的検査では肝臓や腎臓、膵臓、心臓等が障害を受けたときに各臓器から血中や尿中に流出する特有の物質を化学的に分析することができます。また、血中の電解質(ナトリウム、カリウム、クロール等)を測定することで体内の状態を知ることが出来ます。その他にも、糖尿病の指標として血糖値及びヘモグロビンA1cを、メタボリックシンドロームの早期診断のためにHDL-コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪等を測定し、臨床側へリアルタイムで検査結果を提供しています。

5. 免疫学的検査

免疫血清検査写真  免疫学的検査では体内に混入した免疫反応を引き起こす物質(抗原)やそれを排除しようとする物質(抗体)を測定しています。当センターではB型・C型肝炎ウイルス、HIV、梅毒等の抗原や抗体の検査を実施しています。感染の拡大を防ぐためにも早期診断と治療が不可欠であり、迅速に検査結果を報告しています。
 また、腫瘍ができたときに血中に分泌される特徴的な物質である腫瘍マーカーの測定も行っています。画像診断と組み合わせることで癌の発見に有用な検査です。

6. 微生物学的検査

細菌検査写真  微生物学的検査では、採取された尿、喀痰、便、血液などの検体から感染症(肺炎、食中毒など)の原因となる微生物を顕微鏡で観察したり、培養、同定検査を行っています。
さらに検出された菌に対して、適切な治療薬を調べる薬剤感受性検査をしています。また、迅速検査としてインフルエンザ抗原やノロウイルス抗原検査、新型コロナウイルスや結核菌群の遺伝子検査を実施しています。
その他の主な活動として、院内感染対策委員会へ参加し、菌の分離数や薬剤耐性菌の検出状況を報告して院内感染防止に貢献しています。

7. 輸血検査

輸血検査写真  輸血副作用を防ぎ、安全な輸血を行うため、輸血前検査として、ABO血液型、Rh血液型、不規則抗体検査、交差適合試験などを行っています。
 また、輸血療法に使用する血液製剤の一元管理、院内で採血した患者さん本人の血液(自己血)の保管管理も行っています。
 さらに当センターは3次救急を抱えているため、赤血球製剤、新鮮凍結血漿を常時待機血として確保し、24時間体制で臨床検査技師が輸血業務に携わっています。

8. 生理機能検査

 生理機能検査は大きく5つの部門に分かれ検査を行っています。いずれの検査も、直接患者さんの体を対象として生体の変化を測定、及び記録する検査です。 患者さんのご協力を得て正しいデータを得ることに努めています。また、患者さんに負担をかけない検査をするよう心がけ、検査データが医師の診断と治療に反映するよう努力しています。

以下に各部門の紹介をします。

 1)心電図検査
心電図検査写真  患者さんの胸に電極を貼り、体表の電気変化を波形として記録します。
 不整脈や虚血性疾患の早期発見や治療経過の観察などに有用です。
  • 12誘導心電図および長時間心電図検査
  • 運動負荷心電図検査(トレッドミル負荷、マスター2階段負荷)
  • 24時間ホルター心電図検査
  • 加算平均心電図検査

 2)肺機能検査
肺機能検査写真  主に肺活量を測定します。結果は手術の麻酔の際に利用したり、呼吸器疾患の指標になったりします。
 睡眠時無呼吸症候群の簡易検査もこの部門で行っています。
  • 肺気量分画測定検査
  • 努力性肺活量測定検査
  • 肺拡散能力検査
  • 機能的残気量検査
  • 睡眠時無呼吸検査
  • 呼吸中一酸化窒素濃度検査(FeNO)

 3)超音波検査
超音波検査写真  超音波を利用して、体内の様子を画像に取り出し、動きや変化を観察します。
 心臓や腹部の検査はスクリーニングや各疾患の診断に用いられます。
 頸動脈や腎動脈の検査は主に動脈硬化の指標となります。いずれも予約検査となっております。
  • 心臓超音波検査
  • 腹部超音波検査
  • 頸動脈超音波検査
  • 腎動脈超音波検査
  • 下肢動脈・静脈超音波検査

 4)脳波検査
脳波検査写真  頭皮に皿電極を貼り、脳からの微弱電流を脳波計に取り込み増幅した波形として記録します。
 脳の機能検査として、主に脳外科の術後管理や投薬治療、小児てんかんの診断治療等に有用です。
 5)聴力・前庭検査
聴力前庭検査写真  聴力検査は耳の聴き取りを中心に耳管機能や顔面麻痺の程度を調べるための検査をします。  平衡機能検査はめまいやふらつきの原因を調べる検査です。
 検査により当日検査もありますが、ほとんどが予約検査となっております。
 
<聴力検査>
 ・標準純音聴力検査     ・耳管機能検査         ・インピーダンス検査
 ・語音聴力検査       ・耳小骨筋反射検査       ・自記オージオ検査
 ・耳音響放射検査      ・脳幹反応聴力検査(ABR)  ・誘発筋電図検査(ENoG)
 ・味覚機能検査       ・新生児聴覚スクリーニング検査(OAE・AABR)
 
<平衡機能検査>
 ・重心動揺検査       ・眼振検査       ・温度眼振検査
 6)その他の検査
 ABI検査は動脈硬化の指標として用います。
 24時間ホルター血圧計は高血圧の原因究明や薬を変えた際の指標として利用されます。
  • 血圧脈波検査(ABI/CAVI)
  • 24時間ホルター血圧検査
  • 神経伝導検査(運動神経・感覚神経)
  • 皮膚灌流圧測定(SPP)

法的脳死判定における脳波(ECI)測定用チェックシート

 平成18年に脳死下での臓器提供が行われ、臓器移植法に基づく法的脳死判定脳波検査を経験しました。
 その際活用し、大いに役立ったECI測定チェックシートを紹介します。

 脳死判定チェックシート PDF形式(151KB)
 脳死判定用チェックシート(ECI測定用) PDF形式(385KB)
 電極間距離チェックシート PDF形式(217KB)
 脳死判定用モンタージュ(提出) PDF形式(212KB)

上のリンクをクリックしてご覧ください。(ご覧いただくためには、Adobe社から無償で提供されている Adobe Reader が必要です。お持ちでない場合は、下のボタンをクリックすると入手できます)
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中央放射線室

中央放射線室の紹介

中央放射線室は、画像診断のためのX線撮影・検査、放射線治療、MRI検査の実務を行っております。
実務は各診療科および放射線診断科・放射線治療科・看護部・医療技術部・薬局等との連携によるチーム医療体制で行っております。

スタッフ構成

診療放射線技師:30名
事務職員   : 4名

取得資格一覧(R6.10月時点)

分野 専門・認定資格名称 取得認定人数
一般撮影 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師

4

下部消化管(注腸)認定診療放射線技師

1

救急撮影認定技師

5

画像等手術支援認定診療放射線技師

3

日本DMAT隊員

2

CT X線CT認定技師

4

Ai認定診療放射線技師

5

MRI 磁気共鳴専門技術者

1

核医学 ゾーフィゴ取扱従事者

1

治療 日本放射線治療専門放射線技師

1

医療情報 医療画像情報精度管理士

4

安全・管理 第1種放射線取扱主任者

6

第2種放射線取扱主任者

3

放射線管理士

5

被ばく相談員

2

放射線機器管理士

3

衛生工学衛生管理者

1

X線作業主任者

1

γ線透過写真撮影作業主任者

1

防災士

2

教育 臨床実習指導教員

2

業務内容

 中央放射線室では、一般撮影・CT・MRI・マンモグラフィなどの撮影・撮像の他に、骨粗鬆症診断の為の骨塩定量検査、衝撃波で泌尿器系の結石を砕く結石破砕、カテーテルを挿入し診断や治療をする血管撮影、放射性医薬品(RI)を使用した形態・生理機能検査、X線・電子線による放射線治療、救急撮影、放射線管理などの放射線に係わる業務を行っています。また、撮影・撮像画像は、ネットワークを介して各部門の端末から画像を参照できるようになっています。

各部門について

一般撮影室
一般撮影室写真

 胸部・腹部・骨系・パントモグラフィを撮影する4室があります。X線を使用して、胸部・腹部・骨などの撮影をしています。撮影された画像は、FPD(Flat Panel Detecter)によりデジタル化して目的部位や検査種別に応じて適切な画像を迅速に提供しています。 また、デジタル化により従来のフィルム使用時よりも低線量で撮影することが可能となりました。

乳房撮影室(マンモグラフィ撮影)
乳房撮影室写真

 マンモグラフィ検査とは、乳房専用のX線検査です。乳房全体を均一に進展させて乳腺や脂肪、血管などを鮮明に写しだします。「視触診」や「超音波検査」では見つけにくい早期乳がんの発見に大変有効な検査です。撮影は女性技師が担当し、人間ドックを含め、一般診療から2次検査まで幅広く行っております。令和6年8月に装置を新しくし、3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)撮影が可能となりました。

X線透視撮影室(X線TV撮影室)
X線透視撮影室写真

 X線透視撮影室は使用目的により、3つの撮影室があります。

 内視鏡、超音波装置を併用して胆管・膵管の検査を行う撮影室1部屋と、整形系検査・泌尿器系検査・小児系検査・耳鼻咽頭系検査・消化管バリウム検査等を行う撮影室2部屋、計3部屋で検査をしています。

骨密度測定検査室
骨密度測定検査室写真

 骨密度測定検査は、骨粗しょう症の判別を行い、骨が折れ易い状態であるかを診断する検査です。骨粗しょう症とは、人の骨量が20代をピークに徐々に減少し、骨が折れ易い状態になることです。男女共通して、加齢・遺伝性・体質・ホルモン・栄養不足・運動不足等などにより骨粗しょう症になり易くなります。当センターでは、腰椎、大腿骨を対象部位にして検査を行います。検査時間は20分程度です。
また、大腿骨近位部骨折の患者さんに対して二次骨折の予防のために骨折リエゾンサービス(FLS)を導入しています。

結石破砕室
結石破砕室写真

 体外衝撃波結石破砕術(ESWL):腎臓や尿管にできた結石に、衝撃波を体外より当てて、結石を砕く治療です。この治療は外来でも実施できます。医師同席の下、X線画像をみて衝撃波を当てる位置を合わせます。 血圧の変動が大きい場合があるため血圧を観察しながら治療を行います。通常3000~4000発衝撃波を当てます。治療時間は60分程度です。

CT検査室
CT検査室写真

 X線を用いて人体の輪切り画像を撮影します。当センターでは、320列2台と80列1台のマルチスライスCTが稼働しております。320列CTは高性能の装置で、従来の装置に比べて高速で撮影が出来、特に心臓や小児の検査において優れた画像を撮影する事が可能です。検査時間は10秒程度の息止めで胸から骨盤までの撮影が可能です。また、3Dワー クステーション(3次元画像処理装置)を用いて診断に有用な画像を提供しております。

MRI検査室
MRI検査室写真

 放射線を使用せず、強い磁場と電波を利用して人体の断面を撮像します。装置は1.5T(テスラ)と3.0T(テスラ)の超電導型MRI装置がそれぞれ1台ずつ稼働しております。非常に強い磁場の中に入って検査を行いますので、金属を検査室内に持ち込んでしまうと、重大な事故を起こす可能性があります。検査前に手術で埋め込まれた体内の金属や身につけている金属類の確認が必要です。検査は、心臓のような特殊部位を含め、全身のあらゆる部位を検査しております。検査時間はおおよそ30分程度です。

血管造影検査室(DSA・心臓カテーテル室)
血管造影検査室写真

 血管にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、そこから造影剤を注入して撮影することにより、血管の病変の診断や治療を行います。心筋梗塞の原因となる狭窄した血管を広げたり、血管損傷や動脈瘤からの出血を止めたり、がんの栄養血管に対しての人工的な血流塞栓など、細かいカテーテルから行う事が出来るため外科手術に比べ低浸襲です。対象部位は全身の血管に及びます。当センターは3台の装置を使い分け、日々進歩している血管内治療に対応しております。

ハイブリッド手術室
ハイブリット検査室写真

 血管撮影装置を設置した手術室です。主に、胸部・腹部大動脈瘤の患者さんが対象で、手術のような大きな切開はせず、太ももの血管からカテーテルを挿入し、大動脈瘤の箇所に対して人工血管に金網を縫い合わせたステントグラフトを留置して治療します。その他に、大動脈弁狭窄症(AS)に対しての人工弁置換術(TAVI)や、心房細動による脳梗塞の予防を目的とした左心耳閉鎖術(Watcman)、僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的僧帽弁クリップ術(MitraClip)なども行われています。

核医学検査室
核医学検査室写真

 放射性同位元素(RI)に微量の標識薬を付けた放射性医薬品を用いて、病気の診断をする専門分野です。放射性医薬品を体内に投与すると、特定の臓器や組織に取り込まれ、そこから放射線を出し、それをSPECT―CT(シンチカメラ)と呼ばれる装置で画像化します。特徴は、血流や代謝などの変化を画像に反映することにより、各臓器の機能検査を行うことができます。

放射線治療
放射線治療写真

 リニアックと呼ばれる装置で体の外側から病気の部位へ放射線を照射して、がん等の病気の治療をしたり痛みの緩和をします。X線撮影に使用する放射線の数十倍のエネルギーの放射線を使用します。当センターでは症例に合わせて3種類のX線と、5種類の電子線を使い分けて照射を行っています。治療は、月曜日から金曜日まで毎日照射します。位置決め照合などを含めた所要時間は20分~30分程度で、 通常は1日1回で1人当りの照射時間はおよそ数分です。 放射線治療は照射中に痛みを感じることはありません。

救命救急センター
救命救急センター写真

 現在の救急医療において放射線検査は必要不可欠な検査です。救急搬送された患者様に対して迅速に検査を実施する為、救命救急センター内に80列マルチスライスCTを設置したCT室とX線撮影室があり、24時間・365日稼働し、救急医療のチームの一員として迅速な検査を実施しております。救急撮影認定技師が数多く在籍し、撮影技術の向上などに貢献しております。

栄養管理室

栄養管理室について

 栄養管理室では、患者さんの一日も早いご回復を願って、入院中のお食事を提供しております。また、治療の一環として、食事療法が必要な患者さんには、管理栄養士が随時相談を受けております。

スタッフ構成 (令和6年4月現在)

管理栄養士 7名

認定資格
日本糖尿病療養指導士(日本糖尿病療養指導認定機構) 1名
福島県糖尿病療養指導士(福島県糖尿病療養指導士会) 6名
栄養サポートチーム[NST]専門療法士(日本静脈経腸栄養学会) 1名
病態栄養専門師(日本病態栄養学会) 3名
がん病態栄養専門管理栄養士 3名

栄養管理室の業務

  1. 入院患者さんへの栄養管理
  2. 栄養食事指導(個別・集団)
  3. 栄養サポートチーム(NST)・褥瘡対策チーム・緩和ケアチームへの参加
  4. 入院患者さんへの食事提供
1.入院患者さんへの栄養管理

 入院された患者さんの身体状況を、身長や体重、血液検査の値や食事の摂取量などから把握し、栄養管理計画書を作成します。
 患者さんのベッドサイドに伺い、食事量や食事形態が適切かどうか確認をし、適切な栄養管理を行っております。また、栄養管理計画書は定期的に見直しを行い、適切なエネルギーや栄養素が提供されているか確認しています。

イメージ写真
2.栄養食事指導(個別・集団)
◇個別栄養食事指導

 入院および外来の患者さんを対象に、医師の指示のもと、管理栄養士が食事に関する相談、アドバイスを行っています。予約制ですが、随時受け付けておりますので、ご希望の際は担当医にお申し出ください。

実施日時 月曜~金曜 9:00から17:00まで
所要時間 20分程度(初回は30分程度)
内容 糖尿病・腎臓病・心臓病・脂質異常症・肥満・脂肪肝・消化器術後・摂食嚥下障害・低栄養
◇集団栄養食事指導

 現在休止中です。

3.栄養サポートチーム(NST)・褥瘡対策チーム・緩和ケアチームへの参加
◇栄養サポートチーム(NST)・褥瘡対策チームへの参加
NST回診やミーティングの写真

 医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士、必要時には、歯科医師・言語聴覚士がチームになって栄養状態にリスクのある患者さんに対し、改善プランを提案、適切な栄養投与(経口栄養・経腸栄養・静脈栄養)を行い、栄養状態を改善することを目的に活動しています。

◇緩和ケア回診への参加

 回診依頼があった患者さんに、医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・MSW・管理栄養士がチームとなって緩和ケアを行っています。

4.入院患者さんへの食事提供 
◇食事内容
イメージ写真

 入院中の患者さんのお食事は、医師の指示により、それぞれの患者さんに必要な食事を提供しております。
 当センターでは、万全な食品衛生管理のもと、適時適温の食事サービスを基本とし、患者さんの疾病の治療や健康の維持、低栄養の改善に貢献するため、病態に応じた治療食約90種類を用意しています。
 その他、「噛みにくい」「飲み込みにくい」などといった患者さんの状態に合わせてできるだけ個別に対応しています。

◇行事食

 入院中においても、四季の訪れを感じていただけるよう、春夏秋冬の行事に合わせて、月2回程度の行事食を実施しています。

楽秋膳の写真

楽秋膳

ハロウィンメニュー写真

ハロウィン

リハビリテーション室

リハビリテーションとは

 病気や怪我から
Re(再び) + Habilis(適した・ふさわしい) + Ation(状態)
に戻るために行われる、全ての援助活動がリハビリテーションです。

 当センターのリハビリテーションは、外傷や疾病などによる二次的合併症の予防と早期の機能回復を目的とした『急性期リハビリテーション』を行っています。「脳血管疾患」「運動器疾患」「心大血管疾患」「呼吸器疾患」「がん疾患」「廃用症候群」に対する、リハビリテーションを提供しています。
 リハビリテーション部門には、理学療法・作業療法・言語聴覚療法の3部門があります。
リハビリテーション室技師長より
基本理念
「共にリハビリ・共に回復・共に共感」
良質な医療を取り入れ患者さんと共に努力し、日々精進しながら患者さんと共に喜ぶ。

 この繰り返しこそが、患者さん・私どもの生きがいであり、基本理念としました。これからもスタッフ一同精進しながら、生きがいのある職場を築き上げていきたいと思います。
スタッフ構成 (2024年10月現在)
   
理学療法士30名
作業療法士10名
言語聴覚士 3名
スタッフ構成
認定資格
運動器認定理学療法士3名 基礎理学療法専門理学療法士1名
脳卒中認定理学療法士2名 呼吸認定理学療法士1名
3学会合同呼吸療法認定士5名 日本摂食嚥下
リハビリテーション学会認定士
1名
心臓リハビリテーション指導士5名 福島県体育協会公認
アスレティックトレーナー
2名
医療リンパドレナージ
セラピスト
1名 リンパ浮腫療法士1名
骨粗鬆症マネージャ1名 がんのリハビリテーション研修修了者20名
リハビリテーション専門医 1名(常勤) 5名(非常勤)

リハビリテーション室紹介動画

理学療法とは

 早期家庭・社会復帰に向けて、日常生活の基本となる(座る、立つ、歩くなど)動作の回復や維持、予防を目的に、運動療法や物理療法を用いて、自立した日常生活が送れるよう支援していきます。
運動療法
 理学療法士が行うリハビリテーションは、医学的視点から身体能力等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作ります。基本動作の阻がいとなっている筋力・関節・麻痺・痛みに対して、動作練習や歩く練習等を行いながら、日常生活の獲得につなげていきます。
運動療法写真1

立つ練習

運動療法写真3

病室での座る練習

運動療法写真2

歩く練習

運動療法写真4

関節を柔らかくする運動

物理療法
 痛みの緩和、筋肉や靱帯の柔軟性向上、麻痺の改善目的に温熱や電気、超音波などの医療用治療器を運動療法と組み合わせることで効果を上げています。

作業療法とは

 作業療法は基本的な動作能力から、日常生活や社会生活を送るために必要な能力の維持・改善を目指し、「その人らしい」生活の獲得を目標にします。
 
 患者さんやご家族の考えや希望を尊重しながら、より自立した生活を目指して、作業活動を提案・提供しています。住みなれた地域でいきいきと豊かに生活することを支援します。

私たちは誰でも日常生活の中で「作業」を行っています。

家事・着替え・トイレ・仕事・趣味…

「作業」はあなたと社会を繋ぐ接点です。


作業療法写真1

食事・入浴・更衣などの生活活動練習

作業療法写真3

福祉用具の選定や
退院後住環境のアドバイス

作業療法写真2

動作を補助する装具を作成

作業療法写真4

就労環境への適応
職業への復帰活動を支援

言語聴覚療法とは

 コミュニケーション機能、高次脳機能、摂食嚥下機能に問題がある小児から高齢者まで幅広く対応しています。これらの機能に問題をもつ人々に対し、話す練習や食べる練習などを行っています。改善を目指し、本人だけでなく家族に対しても指導を行っていきます。

コミュニケーション機能の障がいとは
 聴く、話す、読む、書くなどの言語機能の障がいを指します。また、声を出す機能に問題が生じ、がらがら声・かすれ声などの音声障がいも含まれます。

高次脳機能障がいとは
 脳の障がいによって、集中力の低下、物事を覚えられない、物事の段取りが分からなくなるなど様々な症状が現れ、日常生活に支障をきたします。

摂食嚥下障がいとは
 食べ物を上手く飲み込めず、気管に食べ物が入りやすくなります。そのため誤嚥性肺炎や窒息を引き起こす可能性が高い状況にあります。
言語聴覚写真1

飲み込みの練習

言語聴覚写真3

発声機能の検査

言語聴覚写真2

高次脳機能障がいへのアプローチ

言語聴覚写真4

カードを用いた言葉の練習

疾患別リハビリテーション

脳血管疾患リハビリテーション
 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳血管疾患や、パーキンソン病などの神経疾患を有する患者さんを対象としています。日常生活を送る上での立つ・歩くなどの基本的な動作や、高次脳機能、摂食嚥下機能の回復を目的としています。
疾患別写真1

物品を使用した手の練習

疾患別写真2

下肢装具を使用した歩く練習

運動器リハビリテーション
 骨・関節・筋肉・神経等の障がいを持つ患者さんに対して、手術後の早期リハビリテーションや手術をしない場合の保存的な運動療法指導等を行っております。
疾患別写真3

松葉杖で歩く練習

疾患別写真4

スポーツ復帰に向けたトレーニング

呼吸器リハビリテーション
 呼吸器の病気によって生じた障がいを持つ患者さんに対して、運動や生活指導等を行いながら、可能な限り機能を回復・維持を支援することを目的としています。
疾患別写真5

聴診による呼吸機能評価

疾患別写真6

体位交換ドレナージ

心大血管リハビリテーション
 心臓疾患、大血管疾患の患者さんに対して早期離床と退院後の再発予防を目的としています。心臓リハビリ指導士を配置し循環動態を監視しながら安心・安全なリハビリを行っています。
疾患別写真7

自転車エルゴメーター
によるトレーニング

疾患別写真8

手術後早期の歩く練習

小児リハビリテーション
 生まれつきの病気や事故などにより、発達に遅れがあるまたは体に不自由のあるお子さんに、遊びを通して運動機能や言葉の発達を促します。
疾患別写真9

遊びを取り入れた練習

疾患別写真10

言葉の発音練習

がん患者リハビリテーション
 がんとその治療によって低下した機能の回復を目指していきます。また機能障がいが進行している場合でも能力の維持、改善を目指す維持的リハビリテーションがあります。がんが終末期であっても自分らしい生活が送れるよう緩和的サポートをします。
疾患別写真11

院内の散歩

廃用症候群に対するリハビリテーション
 廃用症候群とは病気やけがなどで入院した際、長期的な安静によって生じる機能障がいです。筋力低下、関節可動域の制限、誤嚥性肺炎、せん妄等があり、このような症状を予防・緩和するため、座位や歩行練習、飲み込みの練習などを実施しています。
疾患別写真12

体力低下を防ぐ練習

リンパ浮腫に対するリハビリテーション
 がんの手術によりリンパ節を切除することで、リンパ浮腫というむくみを発症することがあります。当センターで乳がんや婦人科がんの手術を行った患者さんを対象とし、スキンケアやリンパマッサージ、圧迫療法、圧迫下での運動療法などを実施しています。
リンパマッサージ

リンパマッサージ

委員会活動

 医師を中心に、看護師・管理栄養師など多職種と連携を取りながら栄養向上委員会、褥瘡管理委員会、緩和ケア委員会、医療安全管理委員会に参加しています。
各種委員会を通して患者サービスの向上に努めています。
委員会活動写真1
委員会活動写真2

リハビリテーション室の風景

委員会活動写真1
委員会活動写真2

リハビリテーション室の設備

委員会活動写真1

日常生活の練習場

委員会活動写真3

調理練習場

委員会活動写真5

InBody(体成分分析装置)

委員会活動写真7

超音波治療器

委員会活動写真8

発声機能検査装置

委員会活動写真2

入浴練習場

委員会活動写真4

自転車エルゴメーター

委員会活動写真6

免荷歩行器

委員会活動写真8

パワーリハビリテーション機器

委員会活動写真8

言語療法の検査物品

臨床工学室

臨床工学室の紹介

 近年、様々な医療機器の性能は目覚ましい進歩を遂げ、操作・保守管理には高度な技術が必要となっています。その機器の操作・保守管理を行うスペシャリストが私たち臨床工学技士であり、患者さんに安全で安心かつ良質な医療を提供するために、臨床の最前線で日々励んでいます。

スタッフ構成 (2024/4月現在 )

臨床工学技士正規職員24名(男性19名 女性5名)

取得資格一覧

透析技術認定士4名呼吸療法認定士5名
体外循環技術認定士4名専門不整脈治療臨床工学技士1名
CVIT認定
心血管インターベンション技師
1名周術期管理チーム臨床工学技士1名
臨床工学技士臨床実習指導者1名  

業務内容

 当センターの臨床工学室は、全診療科の連携し業務を行っており、特に集中治療科領域、心臓血管外科領域、循環器科領域、血液浄化領域と密に連携を図り、臨床業務を行っています。
 他には、様々な医療機器の保守点検管理業務をしています。院内で使用する医療機器を適時メンテナンスすることにより、医療・看護業務がストレス無く安全に行えるようにし、患者さんに、より安全な医療を提供できるように努めています。

各部門について

1.手術室部門

 手術室部門では、年間300例以上の心臓血管外科手術に臨床工学技士が従事しており、チーム医療の一角を担っています。また、手術室内で使用されている様々な高度医療機器の管理を行っています。

 1)人工心肺業務
人工心肺操作写真  心臓の手術を行う際、心臓と肺の代行を行う「人工心肺装置」を操作し、患者さんの生命を維持します。その他にも心筋保護液供給装置、術中自己血回収装置、血液凝固分析装置、補助循環装置であるPCPS、IABPなど、様々な機器を適正に操作・管理しています。
 2)血管内治療業務
血管内治療業務写真  心臓血管外科が行う血管内治療では、ステントグラフト内挿術や、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)などがあります。手術の際、臨床工学技士が術野でカテーテルの準備や医師のサポートを行います。その他にも検査機器の操作、使用物品の管理を行います。
 TAVIでは人工弁をカテーテルに装着する重要な作業も担当しています。
 3)手術室機器管理業務
手術室機器管理業務写真  手術室には多くの医療機器があり、医療機器の高度化が進む中、質の高い安全で効率的な医療を提供するため、業務の拡大を行っています。
 各種ポンプや、麻酔器の管理だけではなく、ナビゲーションシステム業務など活躍の場が広がっています。
 4)ダビンチ業務
ダビンチ業務写真  2023年より手術支援ロボット(da Vinci Xi)が導入されました。臨床工学技士は機器の準備・操作・点検を行い、医師・看護師と連携し、手術が円滑に進むようサポートしています。





2.集中治療室部門

CHDFの準備写真  集中治療室には生命維持のために機器によるサポートが必要な患者さんがいます。
 肺は人工呼吸器、心臓は心肺補助装置、血液をきれいにして尿をつくる腎臓は血液浄化装置がサポートしています。
 臨床工学技士は、これらの生命に直結する生命維持管理装置とよばれる「人工呼吸器・心肺補助装置・血液浄化装置・除細動器」などの操作や管理、メンテナンスを行っています。









 1)高気圧酸素療業務
高気圧酸素療業務写真  普段の大気圧よりさらに高い気圧環境の中で酸素を吸入することにより、より多くの酸素を血中に取り込み病態の改善を図ろうとする治療です。
 装置の操作から安全管理・日常点検まで臨床工学技士が担当し、患者さんに安心・安全な治療を提供できるよう努めています。

 2)メンテナンス業務
メンテナンス業務写真  人工呼吸器や各種ポンプ、除細動器など、1000台以上の医療機器を管理しています。院内スタッフが医療機器を安心して使用できるよう、各種の点検業務や、購入廃棄計画、緊急時の迅速な対応などに取り組んでいます。




 3)その他の業務
院内勉強会写真  消化器内科におけるラジオ波焼灼治療や臨床工学技士が携わる生命維持管理装置の勉強会も行っています。









3.血管造影室部門

 1)心臓カテーテル検査・治療
心臓カテーテル室写真  循環器内科において、心臓カテーテル検査(冠動脈疾患・弁膜症・先天性疾患)の確定診断を行う際の立ち会い、PCI、EVT等を行う際に用いられる治療機器・検査機器の管理および操作を行います。当センター循環器内科は東北でも有数の治療件数を誇り常に最新のデバイスが導入され、近年ではIVLやIndigoシステムが導入されています。
 また最近ではTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)に加え、MitraClip(経皮的僧帽弁クリップ術)やWATCHMAN(経皮的左心耳閉鎖術)を心臓血管外科と循環器内科によるハートチームで行っています。
 2)EPS(心臓電気生理学的検査)及びカテーテルアブレーション
 心房細動・発作性上室性頻拍・心室期外収縮・心室頻拍などに対するアブレーション治療や、心臓電気生理学検査を行う際の心内心電図の解析、電気刺激装置の操作、3Dマッピング装置の操作を行います。近年はクライオバルーンアブレーションも導入され同様に操作・管理を行っています。
 3)ペースメーカ・ICD(植込型除細動器)・CRT(心臓再同期療法)などのデバイス管理
植込み型デバイス各種写真  ペースメーカ・ICD・CRTの植込み時の立ち会い・プログラマの操作を行います。
 デバイス外来は毎週行われており、循環器内科医師と共に外来を行ってます。
 当センターでは国内主要なデバイスメーカ5社すべての植込み、点検を行います。
 遠隔モニタリングシステムでの管理も行い他院からの紹介の際にも連携をすることが可能です。

 4)その他
保守管理写真  循環器領域で使用される生命維持管理装置(Impella・ECMO・IABP・除細動器・一時的ペースメーカ)の保守管理や循環器領域のデータベース管理を行っています。








4.透析室部門

 1)透析・各種アフェレーシス
 透析室では、各種診療科へ入院加療中の人工透析が必要な患者さんを対象に透析を行っております。また、潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法(L-CAP,G-CAP)や難治性腹水症に対する腹水濃縮再静注法(CART)等も行っています。
 その他透析液に使用する水質管理や透析機器のメンテナンス業務も行っています。

透析室 穿刺の様子



 2)バスキュラーアクセス管理
VAIVTの介助  バスキュラーアクセス(VA)外来の開設に伴い、透析用VAの治療(VAIVT)の介助をしています。当センターのVAIVTは主に、低侵襲であるエコーを用いた、エコー下VAIVTを行っています。必要に応じてレントゲンを用いた透視下VAIVTや血栓溶解・回収も行っています。また、VAの治療だけでなく早急にVAが必要な患者さんに対し短期型カテーテルの留置や、シャントを作成することができない患者さんに対し長期型カテーテルの留置の介助も行っています。


歯科治療室

外来受付
診療室入口

歯科衛生士業務

 歯科医師の指導のもとに、直接患者に対して歯科予防処置・歯科診療補助・歯科保健指導を行うことが三大業務として法律に定められており、それぞれに専門性の高い知識・技術を必要とします。
1)歯科予防処置
 むし歯、歯周病など歯や口腔の疾患を予防する処置として、歯科衛生士が術者として直接患者に対応する業務です。
2)歯科診療補助
 歯科医師の診療を補助するとともに、歯科医師の指示を受けて歯科治療の一部を担当します。環境の整備や物品の管理など業務の範囲は多岐にわたり、歯科診療を円滑にまた安全に行うため対応力が要求されます。
3)歯科保健指導
 幼児期から高齢期までの各ライフステージの個人や集団を対象として、その人の生活行動をその人に適した歯科保健行動に変容させるための専門的な立場からの助言と指導です。

外来診療室における業務

歯科衛生士 5名(2024年10月現在)
 当センター歯科は二次医療であり、歯科医院より紹介をされて受診される方が多くを占めます。(難抜歯・全身麻酔下での手術が必要な方・重篤な歯性感染症、外傷など)
1)診療の補助

 歯科衛生士は、診療がスムーズに進行できるよう診療の準備、患者の案内等を行っています。

  • 来院予定患者の病状、処置内容を把握したうえで介助にあたります。
  • 基本的な診療の内容を想定し、円滑な診療につなげます。
  • 診療に適した器材の準備・片づけを行います。
  • 診療上必要な患者情報(身長・体重、バイタル、連絡先等)を把握し、歯科医師に報告します。
  • 診療に適したライティング、視野の確保、バキューム操作を行います。
  • 感染対策に準じた環境整備を行います。
  • 患者の理解につながる説明、案内等を行います。
  • 患者の訴えを傾聴し、緊張や不安を和らげ、かつ適度な緊張感を保たせます。
2)外来小手術の補助

(抜歯、切開消炎、腫瘍切除、生検など)

  • 各術式に必要な器材の準備を行います。
  • 術野を的確にライティングします。
  • 術式に合った器材の受け渡しを安全に行います。
  • 歯牙切削時・創部洗浄・術野の確保を目的としたバキューム操作を行います。
  • 術後の注意事項の説明を患者の理解につながるよう行います。
  • 感染対策に配慮した器材の片付け、環境の整備を行います。
3)口腔衛生管理(口腔ケアの実施)

 口腔内衛生保持のため、歯周ポケット検査で口腔内状態を把握し、バイオフィルムの除去、歯石除去、歯面清掃、舌苔除去、粘膜の清拭を施行します。また、口腔内の状態にあわせて歯ブラシや清掃補助用具を選択し各々に適した指導を行います。

当科術前口腔ケア

 口腔領域における外傷や手術を受ける者に対し、口腔内常在菌の絶対数を減らし、それらによる創部感染の予防を目的として行います。

周術期口腔機能管理計画書に基づく口腔ケア

 がん手術(頭頸部、上部消化管など)、心臓手術、整形外科領域における人工関節置換術などでは、口腔衛生状態の改善が術後の創部感染、術後肺炎等の合併症予防に有効であるとの報告があります。また、周術期や放射線化学療法により免疫力が低下した状態では、口内炎やカンジダ症、ヘルペスなどといった口腔粘膜のトラブルや、口腔内常在菌を起因菌とした誤嚥性肺炎や敗血症などの重篤な全身的感染症が引き起こされることがあります。
 これらの発生防止や発症後の早期治癒を目的として行うものです。

(いずれも歯科医師の歯科衛生実施指導計画、周術期口腔機能管理計画等の指示に基づく。)

外来受付
診療室入口

眼科治療室

部門紹介

当センター眼科では、白内障、網膜硝子体疾患(糖尿病網膜症・黄斑変性症・網膜静脈閉塞症など)の治療に力を入れています。

スタッフ構成

眼科治療室では、さまざまな眼科疾患に対し多種多様な検査を、視能訓練士3名が担当しています。

業務内容

どのような検査を行っているのか、いくつか紹介します。

1.視力検査
さまざまな眼科疾患の基本検査は、視力検査となります。初診時の視力から始まり、定期検査での視力の推移、そして白内障や網膜硝子体疾患の手術前と手術後の視力の確認など、視力検査が病状把握のカギを握ります。
視力検査写真
2.眼圧検査
房水という液体によって保たれている眼球内圧(眼圧)を測定する検査です。緑内障を調べる際には、必ず行われる検査です。
眼圧検査写真
3.光干渉断層計(OCT)
網膜の断層写真を撮影する検査です。網膜疾患や緑内障の診断補助、経過観察ができます。早期の病変発見や治療効果の評価に用いる検査です。近年の眼科治療において、欠かすことのできない検査です。
光干渉断層計(OCT)写真
4.視野検査
一点を注視したときに、周囲に見える範囲を測定します。視野検査には大きく分けて2種類の検査があり、静的視野検査と動的視野検査があります。静定視野検査は、中心30度の視野を詳細に測定します。緑内障初期の検出、経過観察に有用です。動的視野検査は、より広い範囲で視野全体がどんな形をしているかを調べます。頭蓋内疾患の判定評価に有用です。

静的視野検査写真
静的視野検査
動的視野検査写真
動的視野検査
5.蛍光眼底造影検査
腕の静脈から色素を注射しながら、眼底カメラで網膜の血管の連続写真を撮影します。毛細血管が詰まっていないか、血管から血液の成分が漏れていないかなどを調べます。糖尿病網膜症や黄斑変性症の診断には欠かせない検査です。
蛍光眼底造影検査写真