整形外科

スタッフ紹介

<患者さんへのメッセージ>

 現在、いわき市の医療環境にはきびしいものがありますが、特に整形外科は困難な状況にあります。震災以降、いわき市の人口は増加し患者数も増加している上、復興による労災事故の増加、高齢者の増加による整形外科的疾患の増加などがある一方で、周辺医療機関の整形外科医師の減少が進行しております。手術療法を主体とする当科では外来診療を制限せざるを得ず、初診の患者さんは他の医療機関からの紹介状のある方に限らせていただいております。普段はかかりつけ医の先生方に治療していただき、手術を要する場合や、状態が悪化した場合は、紹介状を持参の上、当科を受診していただければ幸いです。けがなど救急を要する場合は当センターの一次救急外来、三次救急外来受診の後、救急科から必要に応じて当科に診療が要請されるシステムとなっております。また多くの手術に対応するため、入院期間の短縮をめざして、地域の診療所、病院との連携を密にして、短期入院制度や代表的疾患のクリニカルパスを導入しております。
当科受診の患者の皆さまには、誠意を持って対応いたしますのでご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。


院長 兼 東北大学客員教授

相澤 利武

東北大学 (1983年 卒)

【資格】
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会スポーツドクター認定医

【専門分野】

主任部長 兼 東北大学客員准教授

笹島 功一

弘前大学 (1985年 卒)

【資格】
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
運動器リハビリテーション医
日本骨粗鬆学会認定医
日本足の外科学会認定医

【専門分野】
骨折
外傷

副院長 兼 人工関節センター長

安永 亨

福島県立医科大学 (1990年 卒)

【資格】
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本整形外科学会認定スポーツ医

【専門分野】

スポーツ障害

医長

秋山 優人

福島県立医科大学 (2015年 卒)

【資格】
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本DMAT隊員
【専門分野】

スポーツ障害

医長

高橋 正樹

福島県立医科大学 (2015年 卒)

【資格】
日本整形外科学会認定 整形外科専門医

【専門分野】

福島県立医科大学脊椎脊髄外科アカデミー助手

猪股 洋平

福島県立医科大学 (2016年 卒)

【資格】
日本整形外科学会認定 整形外科専門医

医長

安山 晃弘

杏林大学 (2018年 卒)

【専門分野】
一般整形外科、四肢外傷

医長

金谷 淳平

東北大学 (2020年 卒)

医長

千葉 大介

東北大学 (2020年 卒)

医長

斉藤 徹

秋田大学 (2021年 卒)

福島県立医科大学脊椎脊髄外科アカデミー助手

山尾 和輝

福島県立医科大学 (2022年 卒)

当センターの整形外科のご紹介

 当センターの整形外科は昭和48年田畑四郎先生によって開設され、その後、多くの医師の参加を経て現在に至っており、2021年4月からは相澤利武先生(平成6年から赴任)が病院長に、2024年4月からは安永亨先生が副院長に就任いたしました。
 整形外科の分野は多岐にわたっておりますが、現在当科で診療を行っているのは、関節(肩、肘、股、膝、足)、脊椎(頚椎~腰椎)、外傷(骨折、腱、靱帯損傷など)、末梢神経、スポーツ障害、骨粗鬆症、良性腫瘍などです。
 外来診療は基本的にはかかりつけ医からの紹介を受けて、それぞれの専門領域(曜日別)に時間予約制で診療にあたっており、待ち時間の短縮を図っています。入院に関しては原則的に手術を要する患者さんを対象にしております。
 手術は終日の手術枠を1列とすると週5日連日で計10列の定期手術を行っています(火、木曜3列、金曜2列、月水曜各1列)。この定期手術以外も随時外傷を中心に緊急手術が加わります。手術件数は2018~2023年で2576、2360、2247、2492、2082件と推移しています。この増減は新型コロナウイルス感染症や、手外科外来の終了などが影響していると思われます。当科の手術の特徴は、当センターの使命である救急医療と高度医療の両立がなされていることです。
 救急医療に関しては、該当医療圏の外傷患者のほぼ70%は当センターに入院しているという統計(2020年)が、多くの外傷を患者さんを受け入れていることを示しております。これらの症例を治療するにあたっては、院内の各科スタッフの協力が欠かせませんが、皆さんが熱心に協力して下さっています。また骨粗鬆症由来の高齢者骨折(特に大腿骨近位部骨折)に対して2022年4月よりFLS(骨折連携支援)の介入を開始し、再骨折の予防に努めています。
 高度医療に関しては、人工関節センターが平成22年5月に開設され、肩、股、膝関節の人工関節手術が行われています。近年は手術手技、人工関節の器材の進歩等で安定した成績が期待できます。当科では2023年には肩関節38例、股関節189例、膝関節237例の人工関節手術が行われ、成績も良好です。肩関節では2014年から逆転型の人工関節が導入されて肩の動きが従来のものより改善されています。さらに2018年12月から新病院に移転して、これまで一室だった手術室のバイオクリーンルームがより清潔度の向上した二室に増えて、よりスムースに手術が行われるようになりました。また関節鏡を用いた肩関節と膝関節の各種疾患に対する治療が高度な医療技術に支えられて行われています。さらに股関節、膝関節の人工関節手術、脊椎手術では、新病院の移転に伴い術中のナビゲーションシステムにOアームが導入され、より安全で正確な手術が可能となりました。
 当センターの豊富な症例の1症例1症例を大事にして誠実に向き合い、学会や研究会への積極的な取り組みや、論文の作成を通じて新しい知識を取り入れることを心がけています。また東北大、福島県立医大の専攻医制度の研修医施設に認定されていることから、研修医の教育の充実にも力を注いでおり、将来、当科を支えていく人材が育つことを期待しています。