当センターの臨床指標(クリティカルインディケーター)を掲載しています。
当センターでは、患者満足度調査の総合的な評価を「総合的に当センターを 100 点満点で評価すると何点くらいになりますか。」 の設問に対し点数による割合を算出しております。
患者満足度調査(外来) (PDFファイル)
紹介割合とは、初診患者に対し、他の医療機関から紹介されて来院した患者と救急患者における割合です。
一方、逆紹介割合とは、初診患者と再診患者に対し、他の医療機関へ紹介した患者の割合です。
高度な医療を提供する医療機関にだけ患者が集中することを避け、症状が軽い場合は「かかりつけ医」を受診し、そこで必要性があると判断された場合に高い機能を持つ病院を紹介受診する、そして治療を終え症状が落ち着いたら、「かかりつけ医」へ紹介し、治療を継続または経過を観察する、これを地域全体として行うことで、地域の医療連携を強化し、切れ間のない医療の提供を行います。
つまり、紹介割合・逆紹介割合の数値は、地域の医療機関との連携の度合いを示す指標です。
患者の中には、退院後に予定外の再入院をすることがあります。その要因は一概には言えませんが、例えば入院時の治療が不十分であった、早期退院を強いた、予想外に症状の悪化が進んだ、前回の入院とは関連のない傷病・事故などが考えられます。避けられる要因、避けられない要因ともに様々考えられますが、本指標ではそれらを中期まで総じて、概況します。
退院後4週間以内の予定外再入院割合 (PDFファイル)患者の中には、退院後に予定外の再入院をすることがあります。その要因は一概には言えませんが、例えば入院時の治療が不十分であった、早期退院を強いた、予想外に症状の悪化が進んだ、前回の入院とは関連のない傷病・事故などが考えられます。避けられる要因、避けられない要因ともに様々考えられますが、本指標では早期のそれらを総じて、概況します。
退院後7日以内予定外再入院割合 (PDFファイル)
脳梗塞急性期における抗血栓療法として、発症48時間以内のアスピリン投与が確立された治療法となっています。また、米国心臓協会(AHA)/米国脳卒中協(ASA)急性期脳梗塞治療ガイドライン2013では、脳梗塞急性期における抗血小板療法として、アスピリンを脳梗塞発症から24〜48時間以内に投与することを推奨しています(クラスI,エビデンスレベルA)。
したがって、適応のある患者には入院2日目までに抗血小板療法もしくは抗凝固療法の投与が開始されていることが望まれます。
非心原性脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞など)や非心原性TIAでは、再発予防のために抗血小板薬の投与が推奨されています。わが国の脳卒中治療ガイドライン2015では、「現段階で非心原性脳梗塞の再発予防上、最も有効な抗血小板療法(本邦で使用可能なもの)はシロスタゾール200mg/日、クロピドグレル75mg/日、アスピリン75-150mg/日(以上、グレードA)、チクロピジン200mg/日(グレードB)である」と書かれています。したがって、適応のある患者には抗血小板薬の投与が開始されていることが望まれます。
脳梗塞(TIA含む)の診断で入院し、抗血小板薬を処方された症例の割合 (PDFファイル)
脳梗塞再発予防には、抗血栓療法と内科的リスク管理が重要です。内科的リスク管理の一つとして、脂質異常症のコントロールが推奨されており、薬剤、特にスタチンを用いた脂質管理は血管炎症の抑制効果も期待できます。
わが国の脳卒中治療ガイドライン2015では、「高容量のスタチン系薬剤は脳梗塞の再発予防に勧められる(グレードB)、低用量のスタチン系薬剤で脂質異常症を治療中の患者において、エイコサペンタエン酸(EPA)製剤の併用が脳卒中再発予防に勧められる(グレードB)」と書かれています。
脳卒中患者では早期にリハビリテーションを開始することで、機能予後をよくし、再発リスクの増加もみられず、ADLの退院時到達レベルを犠牲にせずに入院期間が短縮されることが分かっています。わが国の脳卒中治療ガイドライン2015では、「不動・廃用症候群を予防し、早期の日常生活動作(ADL)向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められている(グレードA)」と書かれています。したがって、適応のある患者には早期からリハビリテーションが開始されていることが望まれます。
脳梗塞で入院し、入院後早期リハビリ治療を受けた症例の割合(PDFファイル)
糖尿病や慢性腎臓病の患者は、食事も重要な治療の一つです。入院時に提供される食事には、通常食と治療のために減塩や低脂肪などに配慮した特別食があります。
積極的に栄養管理の介入を行うことも、医療の質の向上につながります。
広域抗菌薬は、使用前までの最近培養検査、投与開始時の血液培養検査は、望ましいプラクティスとなります。
また、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。
脳卒中や大腿骨頸部骨折の治療は、急性期の治療後も継続的な医学的管理とリハビリテーションが重要です。これらの患者に対する地域連携パスの使用等、地域連携に関連した実施率を見ることは、地域医療に関する医療体制を評価することにつながります。
脳卒中症例に対する地域連携の実施割合(PDFファイル)
大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折は、ガイドラインではできる限り早期の手術を推奨されています(GradeB大腿骨頸部/転子部骨折診療ガイドライン 改訂第2版)。
「早期」の厳密な定義は示されていませんが、本指標では、各手術について、入院2日以内に手術を受けた症例数として計測を行いました。整形手術に関する医療提供体制を評価する指標になると考えています。
良好な治療アドヒアランスを得て化学療法を円滑に進めるために、催吐リスクに応じた予防的な制吐剤の使用は重要です。高度の抗がん薬による急性の悪心・嘔吐に対しては、NK1受容体拮抗薬と5HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾンを併用することが推奨されています(グレードA 一般社団法人 日本癌治療学会編 制吐薬適正使用ガイドライン2015年10月【第2版】)。シスプラチンは「高度催吐性リスク」に分類されており、本指標にでは、この3剤の制吐剤が利用されているかどうかを測定しています。
シスプラチンを含むがん薬物療法後の急性期予防的制吐剤の投与割合 (PDFファイル)有効血中濃度の維持および副作用の抑制に、治療薬物モニタリング(TDM)が重要となる抗MRSA薬の使用に際した、TDMの実施を測定する指標です。
抗MRSA薬投薬に対して、薬物血中濃度を測定された症例(PDFファイル)薬剤師の薬学的管理指導は、医療改善につながります。また、服薬指導により薬物療法に対する安全性や有用性を患者が認識すれば、アドヒアランスの向上(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定にそって治療を受けること)に繋がると期待されています。
薬剤管理指導実施割合 (PDFファイル)消化性潰瘍診療ガイドライン2015第2版では、「低用量アスピリン(LDA)による消化性潰瘍の発生頻度、有病率の抑制には酸分泌抑制薬が有効である(エビデンスレベルA)ので行うように推奨する(推奨の強さ1)」とあり、この推奨をもとにより望ましいプラクティスとして指標を策定しました。
アスピリン内服患者の退院時酸分泌抑制薬処方率 (PDFファイル)