いわき市病院事業管理者あいさつ
当センターは、昭和25年に旧平市並びに石城郡下29町村の組合立病院として開設以来、70年以上にわたり、地域の中核病院として安全・安心の医療を提供し、地域から信頼され、進歩し続ける病院を目指して運営を行って参りました。
この間、社会情勢の変化や医療需要等を踏まえ、様々な施設設備の整備を行い、病院は大きく発展してきましたが、時間の経過に伴う施設の老朽化や耐震性の問題などが指摘されたため、平成22年度から新病院建設事業に着手し、平成30年12月に新病院「いわき市医療センター」を開院、令和3年3月には敷地内駐車場等の整備をすべて完了し、グランドオープンを迎えたところです。
少子高齢化が進展する中、医療機関におきましては、団塊の世代が75歳以上となることで生じる「2025年問題」をはじめ、医師不足の解消や「医師の働き方改革」への対応など、解決すべき課題が山積しております。加えて公立医療機関には、高度・急性期医療や災害医療、感染症への対応等、公益性や採算性等の観点から、民間医療機関では担うことが困難な役割を果たすことが求められております。
このように、病院を取り巻く情勢は非常に厳しい状況ですが、このような中にありましても、当センターは、地域の中核病院であることを強く自覚し、救命救急センターを核とした第三次救急医療をはじめ、本県浜通り地区の高度急性期医療を担うとともに、地域医療支援病院として、地域の医療機関等の皆様との連携をより一層推進し、医療水準の向上や地域完結型医療の確立に取り組んで参ります。
また、将来にわたり良質な医療を提供していくため、それらを支える医療スタッフの確保・育成や、安定した経営基盤づくりにも取り組んで参りたいと考えておりますので、引き続き多くの皆さまのご支援とお力添えをいただきますようお願い申し上げます。
新谷 史明
いわき市医療センター院長あいさつ
令和3年4月、院長に就任しました相澤利武です。
昭和25年の開設から70年以上にわたる歴史と、市内最大の病床数を有する公立病院の院長という重責に、大変身の引き締まる思いです。
さて、福島県浜通り地区で唯一の救命救急センターを持つ当センターは、市内はもとより、隣接する相双地区や北茨城市にお住いの方々の生命を守る「最後の砦」として、高度急性期医療を提供するとともに、地域がん診療拠点病院や地域周産期母子医療センターなど、様々な役割を担う地域の中核病院として、安全で質の高い医療の提供に取り組んでいます。
当センターは、高度先進医療の導入にも力を入れており、より専門的な医療を提供するため、複数の診療分野でセンター化を進めており、循環器分野では、東北地方でいち早くTAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)を平成26年に導入し、これまでに200症例を超える治療実績を有しております。
また、血管内治療に関しましては、心血管カテーテル治療センターを立ち上げ、PCI(経皮的冠動脈形成術)やPPI(経皮的末梢血管形成術)に積極的に取り組み、東北地方でトップクラスの症例数を誇っております。
さらに、人工関節センターを設置する整形外科では、救急外傷への対応に加え、対応可能な施設が限られる肩のリバース型人工関節をはじめ、様々な人工関節手術を行っており、年間の手術件数は約2,000件を数えます。
これらの取組に加え、地域医療支援病院である当センターは、住み慣れた地域で必要な医療提供を受けられる、いわゆる「地域完結型医療」の実現に向け、地域の医療機関の方々と連携を図りながら、医療の質向上にも取り組んでおります。
私たち医療従事者にとって、患者さんやご家族から「いい病院にかかれてよかった」と言っていただけることが何よりの喜びです。今後とも、慈しむ 心を持ち優れた医療技術を施すという、当センターの基本理念である「慈心妙手」のもと、常に患者さんの視点に立った医療提供に向け、職員一同、全カで取り組んで参りますので、引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
相澤 利武